2019 Fiscal Year Research-status Report
偏極トーリック多様体の定義方程式と格子凸多面体の研究
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19K03394
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾形 庄悦 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90177113)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 代数学 / 代数幾何学 / トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sturmfelsにより提示された「射影正規的に埋め込まれた非特異トーリック多様体の定義イデアルは2次生成である」という予想に関連して、「どの場合に射影正規的であるか」という課題を近年研究して、3次元の場合にいくつかの成立条件を見出した。また、この研究過程で、トーリック多様体上でも直線束がベリーアンプルであることと射影正規的であることの違いが見つかり、この結果に触発されて、他の研究者も多くの例を構成したり、違いを細分化する研究も始まった。 研究代表者は、本来のSturmfelsの予想の主張の弱い形に着目して本研究を計画している。まず、弱い形で証明し、代数幾何的手法により予想の解決に向かう方針を立てている。本年度は、射影正規性の研究時に考察した、その随伴束が正でないアンプル直線束を持つ場合を研究した。つまり、3次元非特異射影的トーリック多様体であって、その上のアンプル直線束の随伴束が正でないものについて, どのアンプル直線束による埋め込みも2次の多項式の共通零点として表せることを証明した。この結果を国内の研究集会で発表し、その内容を日本語でまとめて報告集に掲載された。英文での研究論文はまだ完成していない。 国内の他の研究集会でも、この結果を発表する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、研究集会の開催が延期された。 また、射影直線への非自明正則写像をもつ3次元非特異射影的トーリック多様体についても、同様な結果を証明するための方針が見つかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1月までは、新型コロナウイルスの感染拡大がそれほど大きくなかったので、12月までに計画していた研究情報収集、研究集会での結果発表や成果報告文の作成には問題がなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた研究結果を英文で研究論文にまとめることを第一に進める。 また、射影直線への非自明背遅く写像を持つ3次元トーリック多様体の場合に同様の問題への解決を見つける。 ただ、新型コロナウイルスの感染の収束時期が不明であるから、当初予定していた2020年度の海外の研究集会での成果発表ができない可能性が出てきた。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染数増加の影響で、3月に計画されていた熊本大学での研究集会が次年度に延期され、東京理科大学での日本数学会年会が中止されて、参加するための旅費の分が余ってしまった。 新年度の日本数学会年会への参加と次年度に延期された研究集会で成果を発表する旅費の一部に使用する。
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Research Products
(1 results)