2021 Fiscal Year Research-status Report
Quantum algebras and moduli theory
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19K03399
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳田 伸太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (50645471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頂点代数 / 表現論 / 代数幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年7月頃から11月まで, 超対称性を持つ頂点代数の構造を研究した. 超対称頂点代数はHeluaniとKacが2007年頃に導入した頂点代数の類似概念で, 通常の頂点代数が場を使って定式化される所を, 超場を使って定式化されるものである. 通常の頂点代数には標準的なフィルトレーションであるLiフィルトレーションやそれに付随して得られるassociated schemeの概念があるが, 今回の研究では、それらが任意の超対称性頂点代数についても導入できることが明らかになり, 特に, 付随する次数加群に頂点Poisson超代数の構造が入ることが示された. そして超共形代数の表現論とassociated superschemeのPoisson幾何学との関係を調べた. 成果はプレプリント Shintarou Yanagida, "Li filtrations of SUSY vertex algebras", arXiv:2111.05734 で発表した. 前項に引き続いて, 2022年初めから現在に至るまで, 頂点Poisson代数の変形理論を研究している. 特にPoisson代数の変形理論を支配しているdg Lie代数との関係, smoothな可換代数上のPoisson構造の変形理論を司るLichnerowicz複体と頂点Poisson代数の変形理論との関係を研究している. この研究は来年度に引き継ぐことになった. また昨年度までの研究成果について2件の口頭発表と京都大学における談話会講演を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き今年度も比較的に研究が進んだ. 特にPoisson代数・Poisson幾何のカイラル量子化について超対称性を取り入れた研究ができたこと,引き続きの研究課題が数多く見つかったことに満足している. また集会の開催に参画して, 大きな成功を収めることができた. 反省点は口頭発表の数が少なかったことであり, 来年度は改善したい.
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Strategy for Future Research Activity |
頂点代数のオペラッド理論がBakalov, DeSole, Kac, Heluaniらによって展開されている. その超対称頂点代数における類似の理論を考察し, 今年度の研究との関係を探索する.
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Causes of Carryover |
2021年5月時点では、2021年後半には出張および対面での研究集会参加を従前通り行うことを期待していたが、コロナ情勢の不安定性を鑑みてそれらを全てオンラインに切り替えた結果、次年度使用額が発生した。今年度は2つの海外出張を予定している。
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