2019 Fiscal Year Research-status Report
Weyl groupoids, generalized quantum groups, and related graph theory
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19K03420
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山根 宏之 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (10230517)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホップ代数 / 一般化された量子群 / ワイル亜群 / コクセター亜群 / スーパーリー代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
通常の量子群は、1980年代に、ドリンフェルドと神保によって、有限次元複素単純リー代数およびその自然な無限次元化であるカッツ・ムーディー‐リー代数の普遍包絡代数のq‐アナログ―として導入されたホップ代数である。一般化された量子群は、通常の量子群、1のべき根で定義される有限次元量子群、スーパーリー代数に付随する量子群を含む概念である。カッツ・ムーディー‐リー代数はセールの関係式により定義することが出来、通常の量子群は、そのq‐アナログ―であるq‐セールの関係式により定義される。スーパーリー代数のセールの関係式は、非常に複雑なものであることが山根宏之により1990年代にあきらかにされた。一般化された量子群はドリンフェルドの普遍R行列を構成するときに用いられるドリンフェルド内積によりq‐セールの関係式を用いずに定義される。有限型の一般化された量子群はヘッケンバーガーにより分類された。有限次元複素単純リー代数Gの有限次元既約指標はワイル指標公式で記述される。ハンフリーのリー代数の教科書にあるように、ワイル指標公式の標準的な証明は、Gの中心Z(G)の構造を記述するハリシュ・チャンドラ定理の応用として得られる。そこで使われる鍵となる事実は、異なるワイル群の軌道は、Z(G)の作用により分離されるということである。 1970年代にカッツは、同様の方法で有限次元複素単純リー代数Gの‘ほとんど’の有限次元既約指標がワイル型のカッツ指標公式により記述されることを示した。当該年度に研究代表者の山根宏之は、2019年度に作成したプレプリントで有限型の一般化された量子群の‘ほとんど’の有限次元既約指標がワイル・カッツ型の指標公式により記述されることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に有限型の一般化された量子群の有限次元既約指標がワイル・カッツ型の指標公式の証明が完成し、論文を作成し投稿した。編集者から大幅な書き直しの要請の返事がきて改定稿を再投稿した。令和2年度になってから、再び編集者から小幅な書き直しの要請がきて、改定稿を再再投稿した。その際に査読者は1回目の書き直しで、査読者が指摘した箇所は全て修正されていると編集者に通知があったことを教えて頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
通常の量子群の結晶基のKashiwara's grand loop argumentを理解し、一般化された量子群の結晶基の理論の構築を目指したい。一般化された量子群の結晶基の理論を構成する上で一番の課題は、結晶基の連結性を示すことであるが、それは容易ではない、しかしながらKashiwara's grand loop argumentを深く理解することが出来たならば、連結性を示すことがいくつかの具体的な場合では可能であると期待できる。またZ/3Z-graded quantum group の結晶基を研究したい。Z/3Z-graded quantum groupの自明ではない表現の中で最も小さいものは9次元ほどであり,その次に小さいものはそれより1次元多いものである。これらの2つの表現は非常に似ていて表裏一対になっているものとみなす事が出来る。これらの2つの表現の多重テンソル積を研究して、その結晶基の状態を確認する事が出来れば、組み合わせ論的に非常に興味深い対象になる事が期待できる。また、Z/3Z-graded quantum groupは、完全可約である特別な無限次元の族が存在する事が期待できる。その場合の結晶基も考察したい。また、長年にわたってコクセター亜群のケーリーグラフのハミルトン回路の構成に取り組んでいるが、当初は低い次元の場合だけが複雑であると思われたが最近になって、高次元の場合も丁寧かつ慎重に証明を書きくださなければならない事が判明した。今後しばらくは高・低次元の場合それぞれ独立に重点を置いて研究したい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で予定していた外国人研究者の招へいを中止にした。次年度も,コロナウイルスの影響がしばらく続くようなので,旅費を使う機会があまり無い事が予想されるので,この機会に,Graduate Texts of Mathematics (Springer) 等の数学のシリーズ学術本等をまとめて購入する予定である。
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Research Products
(8 results)