2023 Fiscal Year Annual Research Report
Siegel modular forms and algebraic modular forms
Project/Area Number |
19K03424
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹山 知義 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60011722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パラモジュラー保型形式 / 次元公式 / 代数的保型形式 / ゼータ関数 / 微分作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
パラモジュラー群というのは、アーベル多様体の偏極の型を固定したときのモジュライを定める群であり、特に2次元アーベル多様体に対応するときは、有理数体上定義された任意のアーベル多様体の Hasse Weil ゼータ関数がウェイト2のパラモジュラー形式のゼータ関数に一致するのではないかという、Brumer 予想がよく知られている。ここでウェイト2の保型形式は非常に特殊で、その次元公式を計算する一般的な方法は存在しないが、具体的な場合の計算の手段としてウェイト3以上のデータを C. Poor その他の研究者が多用していた。平方因子を持たないレベルのウェイト3以上の次元公式はかねてから研究代表者および北山秀隆などによりわかっていたが、これを Atkin-Lehner involution により細分した次元がいろいろな事情で必要とされていた。今回、素数レベルのパラモジュラー形式を Atkin-Lehner involution により +1 および -1 の固有空間のそれぞれの次元を具体的な明示公式として与えたのが、この研究テーマでの大きな成果である。この計算には、Dummigan, Pacetti, Rama, Tornaria の代数的保型形式との同型対応と浅井照明の5元2次形式の類数公式、および橋本・伊吹山による4元数的エルミート形式の類数公式の計算に基づいている。これに加えて、今年度は +1 と -1 のバイアスがどの程度であるかを正確に評価して、ウェイトのパリティーに応じて、一方が他方より恒に大きいかまたは等しいと言うことを証明し、また小さいレベルで次元の母関数の周回性(palindromic property) から環構造の考察をした。その他、微分作用素と moving slope, Harder 予想などについて共著論文を発表し、関連する発表などを行った。
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Research Products
(15 results)