2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03425
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田上 真 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50380671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 調和指数デザイン / ネットワーク符号 / グラスマンアソシエーションスキーム / 双線形形式アソシエーションスキーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては主に、2019年度で研究したHammingスキーム上のtight 調和指数デザインと誤り訂正符号の比較的新しい分野であるネットワーク符号との関係について、先行研究を調べ考察した。Kschischang-Ko"tter(2008)により、ランダムネットワーク符号の部分空間的観点からの研究が行われ、またその研究と密接に関係してSilva-Kschischang-Ko"tter(2008)により行列のランク距離的観点からなる研究が行われた。前者はグラスマンアソシエーションスキームと、後者は双線形形式アソシエーションスキーム上で考察することができる。ランダムネットワーク符号の部分空間符号としての線形計画限界式はEtzion-Vardy(2008)、Ahlswede-Aydinian(2009)など、いくつか知られているが、まだ改善の余地がある。 特に改善の方法としてはMusinによる球面上の局所的なOptimal setの分類の応用の類似や、SchrijverによるTerwilliger代数の符号理論への応用などが考えられる。特に最近、Watanabe(2018)によりグラスマンアソシエーションスキームのTerwilliger代数の構造の研究は大きく進展しており、その研究をSchrijverの方法を結び付けることにより、現在知られているネットワーク符号の限界式に応用が可能であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、急遽、すべての担当講義のオンライン教材を作成する必要があり、十分な研究時間を取ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ネットワーク符号の代数的組合せ論的研究はまだ深く研究されていない領域である。グラスマンアソシエーションスキーム、双線形形式アソシエーションスキームにおけるネットワーク符号の研究を行う。特にアソシエーションスキーム上の符号のDelsarte限界式には多くの改善方法が知られており、現在知られているネットワーク符号に対する限界式を改善することができないか考察していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、学会等がオンラインで開催されたことにより、旅費等が不要になったため、当該助成金が生じた。 来年度はオンラインでの研究打合せ等での設備の充実に研究費を使用する。
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