2019 Fiscal Year Research-status Report
Research of automorphic forms of several variables by Jacobi forms
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19K03429
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部数学科, 准教授 (10333189)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 保形形式 / ヤコビ形式 / ジーゲル保形形式 / 無限積 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究課題の１年目であるが、その内容は、研究代表者の昨年度まで研究課題「多変数保型形式の明示的・構成的研究（基盤研究Ｃ）」の成果を受けている部分が大きく、出だしから順調に研究を進めることができた。
本研究課題の核心となる問い「保型形式をより明示的・構成的に調べることにより、その空間を明確に知りたい」について、申請時には３つのテーマ「(1)２次のジーゲル保型形式およびヤコビ形式におけるヘッケ作用素や跡公式の精密化」「(2)Borcherds 型の無限積を使った多変数保型形式の構成法の一般化、特徴付け、および拡張」「(3)形式的なフーリエ・ヤコビ展開の収束性」を当面の課題としていたが、(1)と(3)に関連した部分について、特に大きな進展があった。タイミングよく、このテーマに関連した問題について、Cris Poor 教授（アメリカ・フォーダム大学）から共同研究の誘いがあり、伊吹山友義氏（大阪大学名誉教授）などとグループを組んで重点的に研究を行った。共同研究の当初は、問題の難しさが再確認され難航も予想される雰囲気であったが、その後、研究代表者が、これらのテーマとの関連を意識せずに、齋藤恭司氏（京都大学名誉教授）からの相談を端緒に共同研究をしていた、保形形式についてのある種の性質が、実は本研究課題に対して大きなヒントを与えていることに気づき、大きな転機となった。後者の共同研究については、研究代表者の単著論文１本と、齋藤恭司氏との共著論文１本がすでにプレプリントサイトに掲載され、論文としても受理され出版待ちの状態にある。前者の共同研究については、論文１本をまもなく投稿する予定であり、次年度以降も重点的に研究を行うつもりである。
また、その他、今年度は、上記(1)(2)(3)のテーマについていくつかの講演を行い、また関連する研究集会を開催した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり、もともと本研究課題との関連性をあまり意識していなかった研究が本研究課題とシンクロし、その進展に大きく寄与した。もちろん、本研究課題の決定的な解決にはまだ遠いが、期間４年のなかでの１年経過時点としては、スタートダッシュに成功し、今後の展開が期待できる、たいへんよい状況にあると自画自賛している。
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| Strategy for Future Research Activity |
幸いにも、研究課題の遂行に向けて、当初の予想以上に研究が快調に進展しているため、当面は現在の力加減で研究をさらに進めてきたい。研究実績の概要で述べたとおり、海外からの共同研究の提案があり、その推進が本研究課題の遂行に大いに資するので、今後もこの共同研究をメインに研究を行っていきたいと考えている。もっとも、この報告書を書いている時点で既に、研究には新型肺炎の影響が大きくでており、上記共同研究のアメリカでの打ち合わせが１年後に延期されたほか、いくつかの参加予定だった研究集会もキャンセルされ、対面での研究情報の収集には大きな障害が発生している。効率は落ちる部分があるが、電子メールでのやりとりや、場合によっては電子会議システムの導入など行って、対面にかわる共同研究や研究情報交換の方法を模索しつつ、研究を進めていきたい。
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| Causes of Carryover |
予算はほぼ計画通りに執行されており、次年度使用額はその端数である。
次年度使用額については、来年度の予算とともに、本研究課題の遂行のために効果的に使用するつもりである。
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