2021 Fiscal Year Research-status Report
Research of automorphic forms of several variables by Jacobi forms
Project/Area Number |
19K03429
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部数学科, 准教授 (10333189)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 保型形式 / ヤコビ形式 / ジーゲル保型形式 / 無限積 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究課題の3年目である。1年目はかなり調子よく研究を進めることができていたのだが、その後はコロナ禍に巻き込まれ、研究集会の相次ぐキャンセルや大学での各種業務の増大などの影響で、研究のスピードはかなり落ちてしまった。昨年度から延期されていたアメリカでの対面での国際共同研究は今年度も延期され、来年度にオンラインで実施の予定に変更となってしまった。また、本課題の研究代表者が世話人の一員となり、日本に外国人研究者を招聘して行う予定だった対面での国際研究集会も、来年度に延期せざるをえなくなってしまった。ようやくコロナの状況が落ち着きだした今年度末、久々に対面での研究集会に参加し情報交換をすることができたのはたいへん有意義であったが、今年度全体を通じてみれば、研究代表者が行った研究活動は、そのほとんどが、忙しくなった大学業務の合間に時間を見つけての単独研究となっている。今年度に行った主な研究の内容は、今後に向けての研究データ(試行錯誤)の蓄積である。昨年度までの研究成果については、論文が出版されて多くの討論が行えることを期待していたが、研究者全般が忙しいようで、投稿先に催促してもなかなか返事がもらえないなど、停滞してしまっている。 今年度の研究については、その性質上、実績として明示的に記載できるものは少ないが、若干の発表を、研究集会および出版物にて行った。これらは、現時点での研究課題の進捗を整理し、今後の目標を明確化するのに役立ったと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の報告では、「(1)当初の計画以上に進展している。」としていたが、その後はコロナ禍に巻き込まれ、2年目の昨年度は「(2)おおむね順調に進展している。」状態となり、今年度は「(3)やや遅れている。」とさらに後退してしまった。1年目である程度の研究成果を得ることができ、国際研究集会等における研究討論によって一層の成果の拡張を目指したタイミングでのコロナ禍は、あまりにもタイミングが悪かった。所属研究機関でのコロナ対応は現在でも続いており、2020年度春から急遽始まったオンライン授業も、全面オンライン、ハイフレックス、濃厚接触者への個別対応と変更されるたびに対応に追われるなど、今でも研究以外の業務に多くの時間を割かざるをえない状態が続いている。そのため、本研究課題の進捗状況については、やや遅れていると認めざるをえない。 もっとも、個人で行える範囲の事柄のほか、他の研究者とかかわる部分についても、電子メールやオンライン会議システムを活用することで、研究活動をそれなりに進めることができていることも確かである。本研究課題の決定的解決に向けてはまだまだ先は長いが、コロナ禍に出口が見え始めている気配もあり、新年度からの挽回には期待できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要と現在までの進捗状況で述べたとおり、1年目の感触から研究の方向性には自信を持っているが、同時に、コロナ禍において、国際共同研究を中心に、研究討論、他の研究者との意見交換がかなり滞っていることも事実である。コロナの影響により現在でも所属研究機関内での業務はかなり忙しい状態が続いているが、研究をとりまく状況がよくなることを願いつつ、与えられた状況のなかで最善を尽くして研究を進展させたい。2022年度は最終年度ということもあり、可能な範囲で対面での研究討論の機会を増やすなどして、研究のスピードアップをはかっていきたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のために、国内と海外の両方で、対面での参加を予定していた研究集会等が軒並み延期となり、旅費(出張・招聘)の支出が生じなかったことが最大の理由である。代替の研究手段としてオンラインでの研究会にはいくつか参加したが、そのために必要な機材はすでに昨年度に揃えており、昨年度と違って追加の支出が生じなかったため、昨年度よりもさらに繰越額が大きくなってしまった。幸い、現在ではコロナ禍は収まりつつあるように見え、日本の出入国の規制も緩和される方向であると報じられているため、延期となっていた研究集会等は次年度に対面で開催される計画となっており、それに伴って、繰越していた旅費(出張・招聘)が使用される予定である。
|