2021 Fiscal Year Research-status Report
Application of cluster algebras to punctured Riemann surfaces and combinatorial representation theory
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19K03440
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 玲 (井上玲) 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30431901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クラスター代数 / 量子群の表現 / 量子化 / 双曲幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、クラスター代数の非可換化およびクラスター代数の点付き曲面の幾何学への応用に関する以下のような研究を行った。
(1) Lam-Pylyavskyyによって2008年頃に導入されたネットワークの理論を非可換化を考察し、クラスター代数の新しい非可換化を構成する研究を行った。 (2) クラスター代数の3次元多様体への応用について、多様体が点付き曲面束の場合に量子クラスター代数を用いて不変量を構成する研究を開始した。以前の共同研究でクラスター実現を構成した1点穴あきトーラス束および点付き円盤束として実現した結び目補空間の、作用素の量子化を用いた不変量を考察した。
出席を予定していたイギリス、オーストラリアでの研究集会がオンライン参加となり、国内の研究集会と数学会の会合もオンライン開催となったため、研究上の出張予定は全て無くなった。2021年9月にオンライン開催された「代数学シンポジウム」でクラスター代数の表現論への応用について講演を行った。また2022年2月にオンライン開催された「Australian and New Zealand Association of Mathematical Physics (ANZAMP)年会」で(1)に関する講演を行った。2022年3月に研究集会「Encounter with Mathematics」でクラスター代数の双曲幾何学への応用に関するこれまでの研究成果について講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度もCOVID-19の影響が続き、特にイギリスのNewton研究所で行われたプロジェクト研究にオンラインでしか参加できず、予定していた対面による研究打ち合わせができなかった。また、急激な感染状況の変化に対応するための講義準備等で研究に支障が出た。以上のような研究環境の変化の影響で研究の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、今年度に行ってきた以下の問題の考察を進める。
(1) ネットワークの理論を非可換化を考察し、クラスター代数の新しい非可換化を構成する。さらに、ネットワークに付随する様々な組み合わせ的対応の非可換化、幾何クリスタルの非可換化など様々な関連する問題を考える。 (2) クラスター代数の3次元多様体への応用について、多様体が点付き曲面束の場合に量子クラスター代数を用いて不変量を構成する研究を行う。以前の共同研究でクラスター実現を構成した1点穴あきトーラス束および点付き円盤束として実現した結び目補空間の、量子化を用いた不変量を構成する。 (3)有限次元単純Lie環gと正整数mに対する箙Q(g,m)によるワイル群のクラスター実現の表現論的意味を考察する。特にgの量子群のq指標との関係を、mが有限、無限それぞれの場合に解明する。
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Causes of Carryover |
今年度もCOVID-19の影響で予定していた全ての国内出張と外国出張が中止となり、旅費の支出がゼロとなったために次年度使用額が生じた。これらは来年度の旅費およびオンライン研究環境を整備するために使用する計画である。
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Research Products
(4 results)