2019 Fiscal Year Research-status Report
無限アソシエーションスキームにおけるDelsarte理論の研究
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19K03445
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 正則一様ハイパーグラフ / 線形計画限界 / グラフの固有値 / スペクトラルギャップ / 距離正則グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
正則一様なハイパーグラフの隣接行列とは,頂点集合で添え字づけられる行列で,その(u,v)成分は,u,vを含む辺の個数で定義される.ハイパーグラフの固有値とは,この隣接行列の固有値のことである(ハイパーグラフの固有値については他の定義の方法もある).線形計画限界とは,異なる固有値の値から,ハイパーグラフの頂点数の上界を与える手法である.Jack Koolen(University of Science and Technology of China),Sebastian M. Cioaba(University of Delaware),Takayuki Okuda(広島大),Masato Mimura(東北大)との共同研究として,ハイパーグラフの線形計画限界を用いて,以下のように既存の結果を改善した.Feng-Li(1996)は正則一様なハイパーグラフの第二固有値(二番目に大きい固有値)をある値以下としたとき,直径に対して上界を与えた.直径の上界を得ると,Mooreの上界から頂点数の上界が得られる.本研究では,同じ第二固有値の条件に対して,線形計画限界を適用して得られる頂点数の上界が,Feng-Li (1996)が与えた上界より良いことを示した.また,Dinitz-Schapira-Shahaf(2020)で与えられている,正則グラフの固有値と直径を用いたMooreの上界の改善に対して,正則一様なハイパーグラフへの一般化と,ある種の部分的な結果の改善を行った.また,r,uを固定し,r-正則,u-一様なハイパーグラフの中で,第二固有値tを具体的に固定し,最大頂点数を持つグラフを決定する問題に対して(その様なグラフでは,ある種の良い連結性が保証される),いくつかのタイプの(r,u,t)に対して最大なグラフを決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正則一様なハイパーグラフの線形計画限界とその応用についての研究は順調に推移しており,論文の執筆は最終段階をむかえているため.
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Strategy for Future Research Activity |
正則一様なハイパーグラフの線形計画限界とその応用についての論文を査読付き専門誌へ投稿する.正則一様なハイパーグラフは距離正則グラフと密接に関係しており,距離正則グラフの理論が参考になった.次の目的として,正則グラフの仮定を緩めたグラフと,その組合せ論的構造の研究に取り組む.
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Causes of Carryover |
計画していた国際研究集会での発表を次年度に延期した.延期した発表の旅費に使用するとともに、当初の計画に従って使用する.
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Research Products
(10 results)