2021 Fiscal Year Research-status Report
無限アソシエーションスキームにおけるDelsarte理論の研究
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19K03445
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 正則一様ハイパーグラフ / 線形計画限界 / グラフの固有値 / s-距離集合 / 球面デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の実施状況報告書にも記した,Jack Koolen(University of Science and Technology of China),Sebastian M. Cioaba (University of Delaware),Takayuki Okuda (広島大),Masato Mimura(東北大)との共同研究であるハイパーグラフの線形計画限界とその応用についての論文について,組合せ論専門誌European Journal of Combinatoricsへの掲載が決定した。無限アソシエーションスキーム上のデルサルト理論においては,ハイパーグラフの商グラフとしての統一的な一般理論がひとつの完成を見たことになる。 2021年度は,ユークリッド空間R^d上のs-距離集合(互いに異なる2点間のユークリッド距離の集合の濃度がs)の理論の,擬ユークリッド空間(pseudo-Euclidean space)R^{p,q}への拡張について,いくつかの定理を示すことが出来た。その中には,もとの結果自身を進展させるものも含まれており,現在,論文投稿に向けて準備中である。 ユークリッド空間上の有限集合Xで互いに異なる2点間の距離の値が整数であり,素数pを法として,その距離の値の個数がsであるとき,元の個数|X|について,ある自然な上界が得られることが知られている[Blokhuis (1984)]. これを任意の代数体の整数環とその素イデアルに拡張することに成功した。これをまとめた論文はすでに専門誌へ投稿済みである。 また,Peter Boyvalenkov (Bulgarian Academy of Sciences)と Navid Safaeic (Sharif University of Technology)との共同研究によって,t≧2s-2を満たすs-distance t-designの互いに異なる2点間の内積が必ず有理数になることを示した。この対象はデルサルト理論においては非常に重要な対象で,この結果は,その存在・非存在の解明に応用できる可能性がある。これをまとめた論文はLinear Algebra and its Applicationへの掲載が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイパーグラフの線形計画限界の論文が専門誌に受理され,研究実績の概要で述べたように,周辺の対象について,意義のある結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
擬ユークリッド空間(pseudo-Euclidean space)上の距離集合の論文について,専門誌での出版を目指す。代数体の整数環の素イデアルでのs-距離集合の上界を達成する集合の特徴づけや分類などを行う。特にs=1については,わずかながら先行研究があり,そこを手掛かりに発展させる。
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Causes of Carryover |
国際研究集会参加のための海外出張旅費を次年度に延期したため。繰り越し額は海外出張費にあてるが,場合によっては遠隔研究打ち合わせのための機器に使用する。
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Research Products
(10 results)