2022 Fiscal Year Research-status Report
A Cartan decomposition, restricted roots and invariant measure of real spherical homogeneous spaces of reductive type
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19K03453
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
笹木 集夢 東海大学, 理学部, 准教授 (60514453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 簡約型実球等質空間 / カルタン分解 / 不変測度 / 制限ルート / 分岐則 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)階数1型の非対称な簡約型実球等質空間に対して,カルタン分解の理論,カルタン分解に付随する制限ルートの計算,および不変測度のカルタン分解に沿った積分公式による特徴付けに関する研究成果をまとめた論文が完成し,投稿することができた.また,階数1型の簡約型複素球等質空間の不変測度については,日本数学会2022年度秋季総合分科会函数解析学分科会で講演した.同型に属する非対称な簡約型実球等質空間は局所同型を除いて5種類に分類され,いずれもG2型の単純リー群を含むものである.このリー群のリー環を特殊直交リー環の部分環として具体的に実現することにより,積分公式の記述に必要なヤコビアンの計算を行うことができた. (2)ハイゼンベルグ群の複素等質空間に対する可視的作用の分類理論の研究の応用として,ハイゼンベルグ群の準正則表現の部分群への制限は無重複表現となるための必要十分条件が可視的作用の分類に一致することを証明した.また,Corwin--Greenleafの公式を用いて,余随伴軌道の次元に関する関係式と一致することも明らかになった.本研究成果について,RIMS共同研究(公開型)「表現論とその周辺分野における諸問題」にて講演し,講究録にまとめ出版された. (3)小林俊行氏(東京大学)の創始した無重複性の伝播定理と複素多様体における可視的作用の理論に関する解説および小林氏や研究代表者の最近の研究成果をまとめた日本語論文(論説,日本数学会「数学」74, 第3号, 2022年)を英訳したものが完成しSugaku Expositionsに投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)階数1型の簡約型実球等質空間に対して,カルタン分解の記述,カルタン分解に付随する制限ルートの計算,および不変測度に関する積分公式の導出に関する研究成果を論文にまとめ投稿した. (2)階数1型以外の簡約型実球等質空間に対する研究成果に関する論文を作成中である.主結果のまとめ方や構成について精査しながら執筆中である.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)階数1型に引き続き,一般の簡約型実球等質空間の不変測度の研究成果を論文にまとめ投稿する段階に到達したい.特に,主結果の内容や執筆内容を精査した上で構成を決定したい. (2)国内外の研究集会で本課題の成果を発表する.現段階では,日本とチュニジアの国際共同研究集会に参加予定で,そこで成果発表をしたいと計画している.また,国内の学会や研究集会で研究成果を発表する機会をいただき講演をしたい. (3)前年度に進展したハイゼンベルグ型のゲルファント対に対する研究を再開する.
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Causes of Carryover |
2020年2月から続いたコロナ禍での研究活動の制限も2022年度から徐々に解除され,学外活動も再開されつつあるが,2020年度や2021年度に執行する予定だった研究活動の中止により計上していた旅費などの予算が執行されなかったため,使用されなかった予算が大きくなった. 2023年度は,本研究課題の研究成果報告を行うために国内外の研究集会に参加し講演をする予定である.特に,2023年11月にチュニジアで開催予定の国際研究集会に参加し講演するために本予算を使用する計画である.また,本研究課題の研究成果を論文にまとめる過程で必要な経費に充てる.
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Research Products
(4 results)