2023 Fiscal Year Research-status Report
A Cartan decomposition, restricted roots and invariant measure of real spherical homogeneous spaces of reductive type
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19K03453
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
笹木 集夢 東海大学, 理学部, 教授 (60514453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 簡約型実球等質空間 / 不変測度 / カルタン分解 / 制限ルート |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)階数1型の非対称な簡約型実球等質空間は局所同型を除いて7種類存在する.これらに対して,カルタン分解の理論,カルタン分解に付随する制限ルートの計算,および不変測度のカルタン分解に沿った積分公式による特徴付けに関する研究成果をまとめた論文が査読を経て正式に受理された.当該論文は,``Invariant measures on non-symmetric reductive real spherical homogeneous spaces of rank-one type''というタイトルでProgress in Mathematicsの小林俊行教授還暦記念号に掲載受理され今後出版予定である. (2)階数が2以上の非対称な簡約型実球等質空間の不変測度に関するカルタン分解に沿った積分公式を明示的に与えるという研究がより精緻なものとしてまとまった.カルタン分解に現れる可換部分の具体的構成は小林俊行氏によって導入された編み上げの手法が鍵となるが,不変測度を特徴付ける積分公式の導出においてもこのアイディアが有効に活用されることについて理論立てて整理することができた. (3)(1)および(2)について,2023年6月に東京大学数理科学研究科で開催されたLie群論・表現論セミナー/トポロジー火曜セミナーとの合同セミナーで講演を行った.特に,簡約型複素球等質空間における可視的作用および不変測度について結果を発表した.また,2023年11月にチュニジア共和国モナスティールで開催された国際研究集会「7th Tunisian-Japanese Conference ``Geometric and Harmonic Analysis on Homogeneous Spaces and Applications''においてplenary talkを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に階数1型の非対称な簡約型実球等質空間に対する成果を論文にまとめたものが,査読を経て掲載受理に至ったことは大きな成果である.また,階数2以上の非対称な簡約型実球等質空間についても2023年度に改めて精緻に研究を重ねた結果,その成果がまとまり論文執筆に至っている. 一方で,論文を完成し投稿するまでにまだ時間を要すると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
階数が2以上の(対称空間でも階数1型の非対称な簡約型実球等質空間でもない)簡約型実球等質空間に対する不変測度に関する積分公式について本研究課題で得られた成果を論文にまとめて投稿することが第一目標である.また,本研究成果について今後も国内外の研究集会で発表することを目指す.
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Causes of Carryover |
本研究課題は2022年度末で終了予定であったが,新型コロナウィルス感染拡大の影響による約2年間に渡る研究活動の停滞により,1年間研究課題を延長し研究を継続した.その期間内に使用予定だった予算を繰り越し,2023年度は主に国内外の研究集会に出席・講演するための旅費に計上した.一方で,本研究課題をもう1年延長して研究を継続することが承認されたため,残額は同じく国内外の研究集会に参加するための旅費として,また研究成果を論文にまとめるための費用として使用する予定である.
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