2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K03455
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
見正 秀彦 東京電機大学, システムデザイン工学部, 教授 (10435456)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 値分布 / Selberg zeta 関数 / 普遍性 / 数論的ゼータ関数 / 密度関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に掲げた3つの目標のうち、目標③“複数のゼータ関数に対する値分布”について複数の取り組みを現在も継続している。個々の取り組みを説明する。 1.一昨年に得た主合同部分群に付随するSelbergゼータ関数の同時普遍性定理の一般化を試みたが、 対象となる群が”モジュラー群SL_2(Z)の有限指数の正規部分群”に制限されるという強い条件を外すことが出来ず、元々の同時普遍性定理から容易に想像の着く結果しか得られていない。対象を指標付きSelbergゼータ関数にまで緩め、再度研究に取り組み始めたところである。 2.上記のSelberg ゼータ関数の同時普遍性定理の手法を応用し、異なるGalois体に付随するDedekind ゼータ関数間で同時普遍性定理が成り立つことを2020年末に証明している。この結果を論文にまとめ投稿したが、1995年にH. Bauerにより得られたガロア群の指標に付随するArtin L関数間の同時普遍性定理からも同じ結果が得られるとして、掲載には至らなかった。申請者の手法の独自性が明確になるよう、論文を修正中である。 3.数論的ゼータ関数L(s)に対し、1次元複素平面C上の値分布の密度関数M_L(u)が存在する。申請者は複数のゼータ関数に対しては多次元空間上の密度関数が存在すると見込んでいる。2022年より、最も単純なDirichlet L関数に対して計算に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
複数の研究に取り組んでいるものの、明確な結果、進展はまだ得られておらず。現在までの進捗状況は、当初の予定よりかなり遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、以下の目標に取り組む所存である(優先順位順)。 (1) Dedekind zeta関数の同時普遍性定理の論文を完成、投稿。 (2) 複数のDirichlet L関数に対し、多次元空間上の値分布の密度関数M_1(u)を構成し、収束性を証明する。 (3) 同じ手法を用いることで、異なる超越数に付随するHurwitz zeta関数に対しても、密度関数M_2(u)が構成されると考えている。2つの密度関数を比較することで、Dirichlet L関数とHurwitz zeta関数の値分布の違いを明確にしたい。
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Causes of Carryover |
2021年度は早い段階で年度内の出張が難しいことに気付いていました。 そのため、交付された全学を次年度にそのまま持ち越すことに決めました。
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Research Products
(1 results)