2022 Fiscal Year Research-status Report
Categorical study for representations of finite groups
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19K03457
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
小田 文仁 近畿大学, 理工学部, 教授 (00332007)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有限群 / 群環 / バーンサイド環 / マッキー2関手 / マッキー2モチーフ / コホモロジカルマッキー2関手 / 斜バーンサイド環 |
Outline of Annual Research Achievements |
バルマー氏、デランブロジオ氏は、2020年に出版した書籍で、マッキー2関手とマッキー2モチーフの理論を紹介した。マッキー2関手と呼ばれるある種の対応をMとおくとき、有限群 G に対応するアーベル圏M(G)を分解するための一つの道具として導入されたものがマッキー2モチーフである。すなわち、M(G) の分解が、マッキー2モチーフとみなしたGの分解からすべて誘導されるというものである。このとき、マッキー2モチーフGの分解を制御する道具が、吉田氏が導入し、吉田氏と研究代表者が研究対象として扱ってきた「斜バーンサイド環 (crossed Burnside ring) 」であるという定理が、バルマー氏、デランブロジオ氏の手になる先述の書籍の主結果のひとつである。 さらに、彼らは、2022年にコホモロジカルマッキー2-関手とコホモロジカルマッキー2モチーフを導入した。新たな理論では、コホモロジカルマッキー2モチーフ G の分解を制御する道具が、Gの群環であることが指摘された。本研究では、それらの分解において零化される斜バーンサイド環や群環のべき等元の特徴付けに関する問題解決に取り組んだ。吉田氏と研究代表者や、ブック氏による斜バーンサイド環のべき等元に関する書結果を応用することで、さまざまな環上で結果が得られている。 本研究の結果は、バルマー氏、デランブロジオ氏の結果の精密化とみなすことができる。これらの結果の一部を2022年12月に京都大学数理解析研究所で行われたRIMS共同研究「「有限群論、代数的組合せ論、頂点代数の研究」で講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響のため、予定していた他研究機関等への出張計画の多くが実現できず、旅費を執行できなかったことが大きな理由である。新型コロナの影響のため、所属研究機関での仕事量が増加し、本研究のエフォートを下げざるを得なかったことも大きな理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の中心的な研究対象である有限群の斜バーンサイド環に関する基礎的研究を着実に進めて行きたい。近年のバルマー氏、デランブロジオ氏によるマッキー2-関手マッキー2-モチーフ理論では、斜バーンサイド環が中心的な役割を果たすことが証明された。2圏論を応用する非常に抽象度の高い研究を行う観点から、これらの研究に関する議論を行うためには、対面で行うことが極めて重要であると考えられる。今後行われる予定の対面でのセミナーや、研究集会に参加し、共同研究者等とディスカッションを行う機会を多く設けたい。 補助事業期間延長が承認されている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響のため、予定していた他研究機関等への出張計画の多くが実現できず、事前に計画していた旅費を十分に執行できなかったことが大きな理由であると考えている。 今後行われる予定の対面でのセミナーや、研究集会に可能な限り参加し、共同研究者等と本研究に関する問題について、情報交換、議論、研究打ち合わせ等を行う機会を多く設けるために、旅費を使う。最新の研究結果の知見を得るために、謝金を使う。
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Research Products
(1 results)