2021 Fiscal Year Research-status Report
Developments and Applications of Geometric Singularity Theory
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19K03458
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 剛郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50176161)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Frontal / Tangent map / Parallel / normally flat / singular curve / singular surface / abnormal geodesics / C3 distribution |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,本研究課題の目的,すなわち,幾何構造に関連して重要な方程式の幾何学的解および解曲面を,幾何学的制御理論の側面からその対称性・双対性・特異性に注目して研究し,前年度開始した研究であるフロンタル曲線の接線曲面について,平行フロンタルの特異性に関する結果と幾何学の新たな方法を深める研究を行い,成果を論文をして投稿し,出版確定することができた.参加予定だった研究会はコロナ感染症の蔓延のためにすべてオンラインとなり,研究会参加のための出張はとりやめることとなった.オンライン研究会においては,曲線の接線曲面の平行曲面の特異点の分類に関する研究についての成果発表を行った.2022年3月にようやく研究打ち合わせの国内出張を1件行うことができ,中断し懸案であった双曲C_3型分布の特異曲線に関する静岡大の待田講師と共同研究を推進させることができた.9次元多様体上の階数3の完全非可積分な分布で,ある曲面上の任意の曲線が特異積分曲線になるようなものが存在することを発見した.このような曲面は「特異曲面」と呼ぶことができる.特異曲面が存在する場合,アブノーマル測地線の空間は無限次元となる.可積分系の場合,それぞれの葉の中の曲線は特異積分曲線になるが,それらは1つの葉を出ることはなく閉じ込められている.しかし,完全非可積分の場合は,アブノーマル測地線は閉じ込められず,どこにでも滲み出すことができる,特異曲面が現れる典型的な例は6次元シンプレクティックベクトル空間のある種の旗多様体上のカノニカルな分布として構成される.今回見つけた現象は,階数2の分布の場合にはあり得ないおもしろい現象である. この研究は,本件研究課題の幾何学的特異点論の発展にとって非常に本質的であると考えられる. 2021年度は,オンライン研究会のための機材と参考図書を購入し,静岡大への1件の出張の旅費を使用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症の蔓延のため,対面の研究会への参加,研究連絡,成果発表などが十分に行うことができなかったものの,オンラインおよび個別の出張により,画期的な発見をすることができ,研究の遅れを2021年度で取り戻すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の過程において研究課題の中心的なテーマにふさわしい双曲C_3型分布の特異曲線に関する新しい現象を発見し,現在,研究の完成まであと一歩のところまで進んでいる.最終年度の2022年において研究を完成させ,可能であれば海外出張を含めた出張を行い,成果発表を実施することで関連研究者との研究交流を活発にし,今後の研究のさらなる発展に結びつけたい.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の蔓延のため,出席を予定していた研究集会がすべて対面ではなくオンラインとなったことから,旅費の使用を予定していた出張・招聘を取りやめたため.
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Research Products
(8 results)