2022 Fiscal Year Research-status Report
Energies and residues of manifolds
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19K03462
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今井 淳 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70221132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンパクトボディ / ポテンシャル / 冪凹性 / 凸領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ωをn次元ユークリッド空間のコンパクト部分多様体で全空間と同じ次元nをもつものとする。このときΩをコンパクトボディという。sを実数として、R^n の点 x でのΩ の s-ポテンシャルを、点 x からの距離の s 乗をΩ上積分し、必要なら正則化することにより定義する。Ω のポテンシャルの最小点(sの値によってはΩの内部での最大点)をΩのs-中心と呼ぶ。Ωが凸であるときにこのs-中心の唯一性が示せるか、という問題を考える。sがある範囲にある場合のみまだ未解決である。偏微分方程式の解の幾何学的性質を研究する分野で用いられる手法、特に冪凹性の理論の適用を目指している。2022年度に得られた成果は、もしもポテンシャルが冪凹ならばこの冪は実数ではだめで、マイナス∞でなければならない、つまりポテンシャルは擬凹関数になるべきである、ということである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度は論文の形の成果は出なかったが、2019年度以降だと論文を8編出し、そのうちの7編はアクセプトされたので、研究成果という点では当初の計画以上である。 一方、予算執行という点では、コロナの影響で2020年度から旅費がほとんどなくなったため、予定を大幅に下回ってしまっているが、総合的に考えると研究自体は計画以上に進展していると言って差支えないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ユークリッド空間のコンパクトボディが凸であるときに、ポテンシャルが強い意味で擬凹関数になることを示すことを目標とする。これが示せれば、凸ボディのs-中心が唯一であることがsの値にかかわらず示せることになり、当研究の目標の問題の一つが解決することになる。そのために、解析(PDEの解の幾何学的性質の研究)に用いられてる手法を適用できるかいろいろと試みてみたい。
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Causes of Carryover |
2020年度より、コロナの影響で外国旅費、国内旅費ともになくなったため。コロナ前は年平均1.4回海外出張があったので、この差が積み重なった。 使用計画としては、パソコン(デスクトップとノート両方)の買い替えがある。現在使用しているものがデスクトップ、ノート共に丸六年以上経過し、性能不足のため一部の数値実験(例えばある種のランダム結び目で結び目型ごとの発生確率を求めることなど)が困難なことと、デスクトップは動作が不安定であることから買い替えたい。
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