2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on dimension and topological spaces in coarse geometry
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19K03467
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山内 貴光 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (00403444)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 漸近次元 / 群作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
粗幾何学における次元概念について、以下の成果を得た。 Bartels, Luck, Reich (2008)による双曲群に対する Farrell-Jones 予想の研究をきっかけに、equivariant asymptotic dimension (eqasdim) と呼ばれる群作用に対する次元概念が知られている。一方、Guentner, Willett, Yu (2017)は、群作用に対して dynamic asymptotic dimension (dad)を定義し、C*環の nuclear dimension へ応用した。これら2つの次元の関係については、コンパクト空間上の群作用に対し、その dad の値が eqasdim の値以下であることが知られている。しかし、それ以上はよく分かっておらず、特に、dad と eqasdim が本質的に異なるかどうかについても分かっていない。知念直紹氏(防衛大)と共同研究を行い、eqasdim に関する定理の精密化と定義の一般化を行った。これまで eqasdim はコンパクト空間上の作用に対してのみ定義・議論されていた。そのため、非コンパクトな空間上の群作用については、その空間の Stone-Cech コンパクト化へ群作用を拡張して、その作用の eqasdim を計算する必要があった。今回得た成果により、非コンパクトな空間上の群作用に対しても、直接的に eqasdim の計算ができるようになった。これによって、dad と eqasdim の値が異なる自由な作用の例の候補を特定した。その作用の dad の値は1で、eqasdim の値は2以下であることは分かっている。その作用の eqasdim の値が2以上であると予想しており、現在、その計算を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の成果により、equivariant asymptotic dimension と dynamic asymptotic dimension の値が異なる自由な作用の例の候補が特定できた。この候補が正しいことが証明できれば、これら2つの次元が本質的に異なることが分かる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究で特定した候補の equivariant asymptotic dimension の計算を進める。さらに、equivariant asymptotic dimension、dynamic asymptotic dimension 及びこれらに関連する概念の次元論的性質についても調べる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大による旅費の計上がなくなったため。 次年度は成果発表や研究打ち合わせのための出張を計画しており、その旅費等に充てる。
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Research Products
(3 results)