2020 Fiscal Year Research-status Report
Geometry and topology of torus actions and combinatorics
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19K03472
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
枡田 幹也 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任教授 (00143371)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トーリックトポロジー / トーラス軌道 / Hessenberg variety / 凸多面体 / 置換 |
Outline of Annual Research Achievements |
次の2つの成果があった. (1)昨年2月から3月にかけてFields研究所に滞在した際に堀口達也氏とSong Jongbaek氏と始めた研究に,組合せ論研究者の John Shareshianが加わり,次の結果を得た.置換多面体は対称群の作用を持つが,その商空間は再び単純凸多面体となり,(組み合わせ的には)高次元の立方体である.対称群全体の商空間ではなく,対称群の中の幾つかの折り返しによって得られる部分群Gによる商空間も単純凸多面体となり,これに対応するトーリック軌道体がある.このトーリック軌道体のコホモロジー環が,置換多面体に対応するトーリック多様体(置換多様体)のコホモロジーのG不変環と同型であることを示した.この事実と,Balibanu-Crooksの結果を合わせて,h=(2,3,...,n,n)の場合の正則ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環の具体的な記述が得られた. (2)Eunjeong Lee氏とSeonjeong Park氏との共同研究において,ある種のトーリックRichardson多様体(我々はこれをカタラン型と呼んでいる)の族と,多角形の分割とが対応することを見出した.これより,カタラン型のトーリックRichardson多様体の同型類の個数が,古くから知られているWedderburn-Etherington数に一致することが分かった.Wedderburn-Etherington数は,幾つかの対象の数え上げに現れるが,我々の研究は,それに新たな1つを加えたものでもある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
トーリックRichardson多様体のある族が,多角形の分割という簡明な対象と1対1に対応することを発見したことは,全く予期しないことで,非常に面白いと感じた.この対応はもっと拡張できる筈で,それを探ることに力を注ぎたい.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記した2つの研究は共に共同研究である.これらの共同研究者とメールやZoomを通して蜜に研究連絡をとり,研究を進めて行く予定である.また,1年余り前から始めた Higher School of Economics のAnton Ayzenberg氏との余次元1のトーラス群作用の研究,最近始めた佐藤敬志氏とregular semisimple Hessenberg variety の対称群表現の研究も Zoom などを利用して推し進める予定である.
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Causes of Carryover |
新コロナウィルスの影響で,出席,講演を予定していた国内外の研究集会がすべて Zoom開催になったため,今年度は旅費に大きく余りが生じた.その分を次年度に使用したいと考えている.
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