2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on antipodal sets of symmetric spaces and related geometry
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19K03478
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 真紀子 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (20255623)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンパクトLie群 / 対称空間 / 極地 / 対蹠集合 |
Outline of Annual Research Achievements |
田崎博之と共同で、非連結コンパクトLie群の極地についての研究を行い、非連結コンパクトLie群 G の極地を考えることは、G と、G の対合的自己同型σが生成する群との半直積の極地を考えることに帰着されることを示し、半直積の極地の具体的表示を与えた。単位連結成分に含まれる極地は G の極地と同一視でき、一方、σを単位元を含まない連結成分の元と見なすと、σを含む極地は、σによる捩れた共役作用の軌道と同一視できることがわかった。これより、F(σ,G) をσの不動点全体からなる G の部分群とすると、σを含む極地は、コンパクト対称空間 G/F(σ,G) と同一視できる。いくつかの具体的な G とσについて、それらから定まる半直積の極地を決定した。 この研究は、本研究課題の目的の一つである、コンパクト対称空間の極大対蹠集合の分類を進めるために行ったものである。コンパクト対称空間 M の、コンパクトLie群 G への極地としての埋め込みが存在すれば、G の極大対蹠部分群の分類を利用することにより、M の極大対蹠集合の極大対蹠集合の分類が可能になる。連結コンパクトLie群の極地として実現可能な M の極大対蹠集合の分類については、M が古典型の場合に、2020年に出版された田崎との共著論文で行った。この度得られた結果により、連結コンパクトLie群の極地としては実現されないコンパクト対称空間 U(n)/O(n), U(2n)/Sp(n), SU(n)/SO(n), SU(2n)/Sp(n) を、非連結コンパクトLie群の極地として実現することができた。 得られた研究成果を田崎との共著論文としてまとめ、投稿した。また、得られた研究成果についての研究発表を日本数学会といくつかの研究集会で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響で、所属大学における授業が急遽オンラインで実施することになったこと等から、授業の準備に多くの時間を要し、本研究課題に関わる研究のための時間を確保することが困難であった。対面での研究連絡の実施も困難な状況が続き、オンラインでの実施に切り替えたが、実施方法の検討や準備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
非連結コンパクトLie群 G の極地として実現可能なコンパクト対称空間 M について、M の極大対蹠集合の分類を行う。そのために、まず、非連結コンパクトLie群 G の極大対蹠部分群の分類を行い、その結果と、M の G の極地としての埋め込みを利用して、M の極大対蹠集合の分類を行う。具体的には、M が U(n)/O(n), U(2n)/Sp(n), SU(n)/SO(n), SU(2n)/Sp(n) および、それらの商空間の場合に、M の極大対蹠集合の合同類の代表元の具体的表示を与え、その位数についても調べる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により、本年度に計画されていた学会、シンポジウム、研究集会はすべて中止またはオンライン開催となり、予定していた旅費が必要なくなったため。次年度は、学会などが対面で開催される場合には参加旅費として使用する他、オンラインでの研究活動の環境整備のために使用する。
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Research Products
(7 results)