2020 Fiscal Year Research-status Report
How is singularity theory applied to mathematics such as surface theory
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19K03486
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
福井 敏純 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90218892)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特異点論 / 特異曲面 / 非固有点軌跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績としては,特異曲面の計算をいくつか行った.まず,尖辺(カスピダルエッヂ)と燕尾(ツバメの尾,スワローテイル)の微分幾何的な有限不変量を定義し解析した論文 T. Fukui, Local differential geometry of cuspidal edge and swallowtai が Osaka Journal of Mathematics に出版された事を報告したい.2020年10月の事である. これは3次元ユークリッド空間内の特異曲面に関する結果であるが.3次元ミンコフスキー空間内の特異曲面についても同様の計算が可能であるので現在論文を準備中である.3次元ミンコフスキー空間内の曲面には光的点が特異点として現れる(と言って悪ければ,特異点と同様な解析困難な点として現れる)ので,それをどう処理するかが腕の見せどころで,現在鋭意進展中である.これは東北師範大学裴東河氏との共同研究である. 他の話題としては,擬球の話題がある,ガウス曲率が正の定数であるような3次元ユークリッド空間の曲面は球である事はよく知られている.ガウス曲率が負の定数であるような曲面は擬球と呼ばれ,延長していくと必ず特異点を持つことが知られている.このような曲面の特異点の判定法を得ている.それから擬球に特徴的なこととしてベックルント変換と呼ばれる写像の存在がある.特異点がベックルント変換によってどの様に変化していくかは興味深い問題である.これについても一定の計算結果を得ている. 他には多項式写像の非固有点軌跡のニュートン図形を用いた記述などが新たに判明した.これは2021年3月に博士前期課程を修了した土屋健希氏との共同研究で,ある多項式写像のニュートン図形を考え,ある非退化性の仮定のもと非固有点軌跡を明示的に記述するものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19パンデミックの影響で,出張ができず,予算消化の観点から見ると当初予定どおりとは言えない.やや遅れていると評価した主理由である.研究の進展という意味ではそれなりに順調で,今まで未解明だった多項式写像の非固有点軌跡のニュートン図形を用いた記述など新たに判明したこともある.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き特異曲面の計算を続けたい.擬球について長崎大学加葉田雄太朗氏と定期的に連絡を取り研究を進めていきたい.多項式写像についても非固有軌跡のニュートン図形を用いた記述という,新しい知見を得たので,この方面も研究したい.
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Causes of Carryover |
COVID19パンデミックにより出張が極めて困難な状況で,旅費が使えなかったから.今年度は復旧次第出張を行い,研究を進展させる予定.
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Research Products
(1 results)