2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K03489
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| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
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Principal Investigator |
松添 博 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90315177)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 情報幾何学 / 統計多様体 / アファイン分布 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
曲線や曲面など、曲がった図形の概念を高次元化したものを多様体とよぶが，情報幾何学では確率分布などを高次元空間内の点だと考え，抽象的な情報の空間を多様体とみなす．これまでの情報幾何学の応用では，曲がった空間の内積に相当するリーマン計量や、微分に相当するアファイン接続を情報空間のなす多様体に適用する内容がほとんどであった．そこで本研究は，情報空間に構成される統計多様体の系列や，シンプレクティック構造など，より高次の情報幾何学構造に関してその数学的基礎の構築を目指すとともに，諸分野への応用も検討する．
2019年度は異常統計における統計モデルの再定式化と，その幾何学・統計学の構造の解明を中心に取り組んだ．従来の変形指数関数の研究はNaudtsの手法によるものがほとんどであったが，確率分布の再規格化の議論や統計モデルの定義などにおいて，須鎗の手法が優れていることが分かってきた．そこで非線形常微分方程式を理論の出発点とし，変形指数関数と統計モデルの一般化，およびそこから定まる統計多様体系列などの幾何学の解明を検討した．変形指数型分布族に対する再規格の問題については，論文や国際会議などで研究発表を行った．
捩れを許す統計多様体の幾何学とアファイン分布論に対しても，いくつかの結果が得られた．特に複素統計多様体上の擬似統計構造とアファイン分布論との関係について，基本的な結果が得られた．これは論文としてまとめ，投稿中である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最初の問題である異常統計における統計モデルの再定式化に関して一定の成果が得られており，研究はおおむね順調に進展している．さらに，一般化期待値とエントロピーのゲージ不定性，さらに確率空間のスケーリングと統計モデルの再規格化についても新しい知見も得られつつある．
一方，良い性質を持つ捩れを許す統計多様体や擬似統計多様体に対して，アファイン分布の基本定理も構成できた．これは，統計多様体の情報からプレ・コントラスト関数をある意味で正準的に構成できることを意味しており，今後の推定関数の幾何学の解明などに対しても有効である．
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| Strategy for Future Research Activity |
異常統計における統計モデルの再定式化，アファイン分布論の構成と非可積分推定関数の幾何学の解明など，いずれも順調に研究が進展しており，このまま研究を推進する．例えば，正則アファインはめ込みからはケーラー構造は誘導できないことが知られていたが，複素正則アファイン分布からはケーラー構造が誘導できることが分かった．このように，情報幾何学とケーラー幾何学，シンプレクティック幾何学との関連解明についても，初歩的な成果が得られており，今後も研究を推進する．
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| Causes of Carryover |
研究計画段階には予定されていなかった国際会議が，2020年度に開催されることになった．このような会議に参加し，研究成果発表，及び情報収集を行うことは研究推進にあたり非常に有用である．また，オンラインでの研究活動も盛んになっており，通信計算機器の整備にも予算を使用する．
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