2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K03491
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安井 弘一 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (70547009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジー / 4次元多様体 / 微分構造 / 種数関数 / コルク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主な目的は、4次元多様体の微分構造の性質を様々な観点から解明することと、4次元多様体論の結び目理論への新しい応用を与えることである。 2023年度の主な研究成果は、4次元多様体の微分同相不変量である種数関数に関するものであり、微分同相不変量としての限界を明らかにし、さらにその応用を与えた. 具体的には、互いにエキゾチックな(つまり同相だが微分同相でない)4次元多様体であって、同値な種数関数を持つものの組織的構成法を与えた。また応用として, 位相不変量に関して非常に広いクラスの境界付き4次元多様体が無限個のエキゾチック微分構造を持つことを明らかにした。さらに種数関数を保つ十分条件を与えることによって、4次元多様体のエキゾチック性を保つ新しい操作を与えた。これらの成果は国際会議等の研究集会で発表し、論文として執筆中である。また、4次元多様体の単純型予想に関する加藤毅教授(京都大学)、中村信裕教授(福島県立医科大学)と研究代表者との共著論文が、 Journal of the European Mathematical Society から出版された。 研究協力者である指導学生(大阪大学大学院生)とは4次元多様体の微分構造に関する様々なテーマについて議論を行った。若槇洋平氏は小さい単連結閉4次元多様体のコルクと安定化に関する成果を得た。高橋夏野氏は4次元多様体のあるエキゾチック対に対してトライセクション種数を決定した。若槇氏と高橋氏はこれらの成果を論文として arXiv で公開し、国際会議等の研究集会で発表した。米原翔唯氏は2つのK3曲面から構成されるある4次元多様体の安定化に関する成果を得た。瀧康二氏は楕円曲面の幾何学的単連結性に関する成果を得た。米原氏と瀧氏はこれらの成果を2023年度修士論文として発表した。
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