2020 Fiscal Year Research-status Report
Extended knots and their invariants
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19K03496
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鎌田 直子 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60419687)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 結び目 / 仮想結び目 / 不変量 / 溶接結び目 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は仮想結び目および溶接結び目の不変量の研究を行なった。仮想結び目と溶接結び目は古典的結び目と異なる性質を持つ。そのような性質の1つにダイアグラムのAlexander numbering可能性がある。古典的結び目ダイアグラムの各アークにはあるルールにそって番号付けができる。その番号付けをAlexander numberingと呼ぶ。しかし、仮想結び目ダイアグラムは常にAlexander numberingを持つとは限らない。Alexander numberingを持つ仮想結び目ダイアグラムをalmost classicalと呼ぶ。仮想結び目は仮想結び目ダイアグラムの同値類で、Reidemeider moveと仮想Reidemeister moveと呼ばれる変形で移り合う仮想結び目ダイアグラムを同値とみなす。溶接結び目も仮想結び目ダイアグラムの同値類であるが、Reidemeider moveと仮想Reidemeister moveまたはforbidden moveと呼ばれる変形で移り合う仮想結び目ダイアグラムを同値とみなす。溶接結び目はリボントーラス曲面結び目に対応しており、溶接結び目の研究は曲面結び目の研究につながる。仮想結び目の不変量であるGoeritz不変量は仮想結び目ダイアグラムに対応している2種類のalmost classical仮想結び目ダイアグラムを用いて2種類定義される。2020年度はこれらのGoeritz不変量のうち1つが溶接結び目の不変量となっていることを明らかにした。また,通常のsatellite constructionという手法を利用して異なるGoeritz不変量を定義できるが,その不変量は自明な不変量となることも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拡張結び目に対して幾何的構造の究明、不変量の性質の解明、不変量を含めた新たな研究手法を確立することが本研究の目的であり、さらに古典的結び目や2次元結び目の解析に拡張結び目を応用した解析手法を構築することも本研究の目的の一つである。 溶接結び目がリボントーラス曲面結び目に対応し、溶接結び目ダイアグラムから曲面の結び目群が直接求まることがわかっている。溶接結び目の不変量を定義することはリボントーラス曲面結び目の解析につながる。本年度はGoeritz不変量が溶接結び目の不変量となっていることを示した。それは1成分の溶接結び目の研究にも適用できる。以上より概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
拡張結び目に対して不変量を含めた新たな研究手法を確立すること、古典的結び目や2次元結び目の解析に拡張結び目を応用した解析手法を構築することが本研究の目的である。2019年度は拡張結び目の1つである仮想結び目の研究を行った。仮想結び目からalmost classical仮想結び目への写像を定義した。この写像から仮想結び目の不変量であるGoeritz不変量を定義した。 2020年度は仮想結び目と溶接結び目の不変量の研究を行い,Goeritz不変量が溶接結び目の不変量となっていることを示した。これらの成果の発展と応用をめざし、新たな研究手法を確立することを目標とする。 拡張結び目に対して幾何的構造の究明、不変量の性質の解明、結び目や曲面結び目の研究への応用も本研究の目的である。 幾何学的特徴をもつ拡張結び目を調べるために、そのような拡張結び目のクラスを中心に様々な不変量の値を計算し、その結果を精査し不変量の性質や幾何学的特徴と不変量の関係を探る。溶接結び目とリボン型のトーラス曲面結び目との関係の一般化、向き付け不可能な曲面の研究に新しい研究手法の導入を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行の影響で出席予定であった研究集会が中止となり、出張に出ることができなかった。本年度は研究集会,研究打ち合わせなどの出張、発表準備に使用する。
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Research Products
(5 results)