2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03498
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
笠原 泰 高知工科大学, 共通教育教室, 准教授 (80299370)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 写像類群 / 曲線加群 / 幾何的交叉 / Johnson filtration / 線型表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き, これまでに研究代表者が発見し研究してきた,曲面の写像類群における線型性の視覚化の観点から生じる問題の位相幾何的研究を継続・発展させるため,線型性の視覚化を記述する枠組みを与える一般論の整備に努め,既知の具体例や,派生する具体的問題をより深く追求しさらに両者の連関を検討した。 より具体的な項目としては以下の通り: (1) 曲線加群の基礎理論に関して: これまでに知られている唯一のスケイン型有限次元曲線加群である,Luoの表現の代数的性質について引き続き検討した。 その他,曲面の写像類群のTQFT表現、スケイン加群の表現理論など、関連すると思われる諸理論を検討した。 (2) Johnson filtrationと幾何的交叉の関係の定量的研究: これまでに,単純な代数的計算によれば反例があるように見えていた或る命題の次数4の場合が,実際には成り立っていることを,自由リー代数のホール基底を用いて証明していたところ,さらに一般次数の場合の命題の成否を決定すべく予備的考察を続けた。 (3) 曲線加群の次元の有限性との親和性が期待される,Church-FarbらによるFI加群の理論について引き続き検討した。 (4) 写像類群の低次元複素線型表現の分類の検討: 引き続きこれまでに得られていた,種数gのコンパクト有向曲面の写像類群の,gが7以上の場合に対する2g+1次元複素線型表現の共役による分類結果の証明の細部を検討し,特にこの研究の結果が依存する, 先行研究に含まれていた不備を修正したうえで, これまでに準備していた論文原稿を遂に完成させた。完成した論文はプレプリントとしてひとまずarXivで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は, 数学理論についての基礎研究で, その対象は本質的に予測不能のものであり, 試行錯誤により知見を積み重ねてゆく性質のものである. その試行錯誤の内容は「研究実績の概要」に述べた通りであり, おおむね順調に進展している. しかしながら, 今般のいわゆるコロナ禍のため, 本研究課題の補助金により対面での参加を予定していた, すべての国内の研究集会, 国際会議が中止または延期となってしまい, その結果本研究課題は実施期間を延長することになっている. 以上2点に鑑みて, 本研究課題の研究代表者としては, この評価が妥当と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で述べた項目を, 引き続き継続・発展させる. あわせて, 研究全体に対する視点をより深めるため, また当初の見込み通りに研究が進展しない場合に備え, 関連する理論を調査・検討する. その結果も踏まえつつ, 次に進めるべき項目の妥当性についても検討を続け, 必要に応じて研究項目の組み替え・整理を行いつつ 本来の目標を目指して研究を続けてゆく.
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Causes of Carryover |
いわゆるコロナ禍により対面で参加を予定していたすべての研究集会, 国際会議が中止または延期となったため. 今後対面で行われる研究集会, 国際会議への参加, または本研究課題の遂行のために必要となる図書等の購入等に使用する.
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Remarks |
Yasushi Kasahara, Crossed homomorphisms and low dimensional representations of mapping class groups of surfaces, preprint (2022) arXiv: 2202.06368 (DOI: 10.48550/arXiv.2202.06368)
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Research Products
(1 results)