2019 Fiscal Year Research-status Report
Pin(2)-monopole equations and 4-dimensional topology
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19K03506
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中村 信裕 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10512171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲージ理論 / 4次元トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は族のゲージ理論に関して主に二つの成果を得た.一つ目は加藤毅氏,今野北斗氏との共同研究として行った4次元スピン多様体の族のSeiberg-Witten 不変量とその応用についての研究である.主結果は符号数が -16 の4次元スピン多様体の族の Seiberg-Witten 不変量が族の Dirac 指数などの線形の不変量の情報だけで決定されるというもので,homotopy K3 曲面に対する Morgan-Szabo の非自明性定理の族への拡張となっている.応用として,K3曲面にいくつかの二次元球面の直積を連結和したものに同相なファイバー M を持ち構造群が Homeo(M) であるトーラス上の族であって,構造群が Diff(M) に還元できないようなものが構成できる.さらにこのことの帰結として, Diff(M)からHomeo(M)の埋め込み写像が弱ホモトピー同値写像でないことが証明される.以上の結果は既に論文にまとめられ,現在投稿中である.(preprint は math arXiv:1906.02943 に上げられている.) もう一つの結果は今野北斗氏との共同研究として行ったPin(2)モノポール方程式を用いて4次元多様体の族のトポロジーを調べる研究である.この研究は,David Baraglia 氏の Seiberg-Witten 方程式を用いた先行研究を, Pin(2)モノポール方程式により拡張する研究で,応用として Diff(X) と Homeo(X) が弱ホモトピー同値でない新しい系列の多様体を見出している.この研究は論文にまとめられ,現在投稿中である.(preprint は math arXiv:2003.12517 に上げられている.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
族のゲージ理論の研究が好調に進んでいる.他のテーマ,境界付きの場合や Pin(2) 版Witten予想に関することなどについては,表立った成果はまだ得られていないが着々と基礎的なことを進めており,いずれ結果として形になることが期待できる.総じて順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
族のゲージ理論についてはここ数年各所で研究が盛んになっており,引き続きこの流れにしっかり関わっていくためある程度集中してこのテーマに取り組み,手を緩めることなく研究を継続していきたい. 他のテーマも基礎的なことを地道に進めることが必要な段階であるが,これも途切れることなく研究を継続していく.
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Causes of Carryover |
最も大きい理由は新型コロナウイルス感染拡大により年度末の日本数学会が中止になるなどにより,いくつかの学会への参加を取りやめたことによる. 使用計画としては,主に共同研究者との研究打ち合わせのための旅費等に充てる.
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