2021 Fiscal Year Research-status Report
Pin(2)-monopole equations and 4-dimensional topology
Project/Area Number |
19K03506
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中村 信裕 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10512171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲージ理論 / 4次元トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は二つの研究を論文にまとめ arXiv にて発表した.(どちらの論文も雑誌に投稿中である.) 一つ目は加藤毅氏,今野北斗氏との共同研究(math.arXiv:2101.00367)で,滑らかな4次元多様体をファイバーに持つ円周上のファイバー束のペアで次の性質を持つものを構成した.(1)全空間は微分同相,(2)位相的なファイバー束としては同型, (3)滑らかなファイバー束としては同型ではない.このような例を具体的に構成したのはこの論文が最初ではないかと思われる.証明には族のゲージ理論を用いる. もう一つは加藤毅氏,岸本大佑氏,安井弘一氏との共同研究(math.arXiv:2111.15201)で,Seiberg-Witten 理論における simple type 予想に関わるものである.simple type 予想はSeiberg-Witten不変量が0でなければモジュライ空間の仮想次元は0であるという予想である.この研究において,緩やかな位相的な条件の下で,Seiberg-Witten不変量が素数 p で割り切れなければモジュライ空間の仮想次元は 2p-4 以下であることを証明した.simple type 予想の解決にまでは至らなかったが,予想解決のための一つのアプローチを示すものとして意義のあるものと考えている.証明はSeiberg-Witten不変量の安定コホモトピー群への持ち上げであるBauer-Furuta不変量を用い,ホモトピー論的考察によってなされる.今回はホモトピー論の専門家である岸本さんの協力のもと,ホモトピー論のゲージ理論への本格的応用を行った点も意義深いと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
族のゲージ理論, Bauer-Furuta理論へのホモトピー論の応用に関する研究が好調に進展している一方,Pin(2)モノポール方程式に絡めた研究はまだ準備・基礎的な段階にとどまっている.総じて順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
Bauer-Furuta理論へのホモトピー論の応用について,更なる進展が見込める状況にあるのでしっかり取り組んでいきたい.PIn(2)モノポール方程式に関して具体的な成果を得たいところであるが,Bauer-Furuta理論等,他のことが進展すればそちらの成果をPin(2)モノポールの方に還元していける目論みである.
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Causes of Carryover |
依然コロナ禍が継続中であり,多くの学会,研究集会等がオンライン開催になっているため,出張旅費を必要としなくなっていることが主たる理由である.今後もしばらくこの状況が続くことが予想されるので,オンラインでの各種集会等への参加が円滑に行えるよう,ネットワーク環境の整備・構築に使用することを計画している.
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