2023 Fiscal Year Annual Research Report
Pin(2)-monopole equations and 4-dimensional topology
Project/Area Number |
19K03506
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中村 信裕 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10512171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲージ理論 / 4次元トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
加藤毅氏,岸本大佑氏,安井弘一氏と継続中の Bauer-Furuta 不変量に関する共同研究に関連して,過去に行った mod 2 simple type の研究で得られた結果のマイルドな拡張が得られるとの報告が安井氏からあり,これについての検討を行った.その他 immersed adjunction inequality などの結果を論文にまとめているところであるが,もう少し応用の広がりが期待でき,研究を継続中である. 本研究のメインテーマである Pin(2) モノポール方程式の研究は,元を辿ると局所係数交叉形式についての2010年の研究から始まったものである.この研究は Froyshov が SO(3) Yang-Mills ゲージ理論を用いて局所係数交叉形式についての対角化定理に触発されて行ったもので,Froyshov の結果の Seiberg-Witten 理論における対応物に相当するものとして当初理解していた.しかし,定理の主張自体は同じ対角化定理であるものの,Froyshov と Pin(2)モノポールでは仮定される条件にズレがあることが謎として残された. このことに関して, SO(3) Yang-Mills 理論が Pin(2)モノポールの真の対応物でない可能性を示唆する観察を得た.すなわち構造群を SO(3) より大きくし,さらにいくつかの技術的な仮定を置くことで,SO(3)よりも自然な形で局所係数交叉形式対角化定理を得られることが期待できるモジュライ空間の構造が発見された.現在対角化定理の証明の完成へ向けて鋭意研究を継続中である. 本研究期間全体を通じて,Pin(2)モノポールそのものの研究とともに,関連する族のゲージ理論や Bauer-Furuta 理論についての具体的ないくつかの結果が得られ発表できたことは意義があると考えている.
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