2020 Fiscal Year Research-status Report
Bosonization of quantum W superalgebra and its application to integrable system
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19K03509
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小島 武夫 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80307800)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子W代数 / 自由場構成 / Quadratic relation / 超代数 / アフィン・リー代数 / 量子Y代数 / D brane / W代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子W超代数の構造を自由場構成から研究し、可解模型の厳密解を明らかにするという研究テーマであるが、ここ数年は、特に量子W超代数の Quadratic relations を明らかにすることを主な目的に研究を進めている。この Quadratic relations により量子W超代数を生成元と定義関係式により定めることができる。 前年度までに量子W超代数 W_{q t}(sl(2,1))の Quadratic relations を導出していたが、本年はさらに一歩すすめて、高ランクの量子超代数 W_{q t}(A(M,N))の自由場表示を、Ding-Feigin構成法により構成し、それを活用して Quadratic relations を導いた。無限個の W-currents によって閉じる無限個の式の組であるところが、超代数における新しい点である。 また超代数のDynkin 図形の選び方はユニークではなく不定性があるが、この Quadratic relations は Dynkin 図形の選び方に依存しないことを証明した。この結果を arXiv(2101.01110[math.QA]) に発表し、現在学術雑誌で査読中である。 A^{(1)}(M,N)型超代数の対称性を追求するという当初の予定であったが、より幅を広げ、Self-dual twisted affine algebra A_2N^(2)に付随した量子 W 代数についても Quadratic relations 考察し、ランクが低い場合(N=2,3,4)についてそれを導出した。現在、高ランクへの一般化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
元来の研究テーマでは、A型のアフィン超代数の量子W代数のみを考察する計画であったが、これより広いクラスのBCD_N^(r)型のアフィン超代数についても Quadratic relation の導出が視界に入ってきた。当初の計画を超える成果が上がりつつあり、20世紀から放置されてきた、量子W代数の定義関係式の決定、という問題の完全な解決の目途がたってきたと考える。当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
量子W代数の quadratic relations の導出を続ける予定である。まずは Twisted algebra A_2N^(2)、そののちに BCD_N^(1)について考察し、それらの超代数版も構成したい。このテーマに近い研究の最近の進展として、超弦理論に現れる量子 Y 代数と量子 W 超代数との想定外の対応関係がA型の対称性で明らかになってきている。これらの物理サイドの研究は、まだ数学者が理解可能な論文とはなっていないようであるが、この対応を BCD 型に拡張できるか検討し、数学的にきちんとした理論の構築に向けて動きたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により出張を取りやめたため次年度使用額が生じた。2022年年度末までにコロナ禍が収束することを期待している。収束の後、多くの研究集会に参加し研究成果を広く知っていただけるように努力したい。
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Research Products
(3 results)