2022 Fiscal Year Research-status Report
Bosonization of quantum W superalgebra and its application to integrable system
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19K03509
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小島 武夫 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80307800)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形W代数 / 量子トロイダル代数 / 自由場構成 / スクリーニング作用素 / アフィン・リー環 / 保存則 / 可換性 / ディンキン図形 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子トロイダル代数を基に構成された変形W代数およびそのスクリーニング作用素を活用し、それらの自由場構成から、リー環 D_N^(1),およびリー環 E_l^(1) (l=6,7,8)に付随する変形W代数の無限個の非局所保存則 G_n の自由場構成の式の予想を与えた。さらに、古典型 D_N^(1)の場合に、非局所保存則自身の可換性 [G_m, G_n]=0 および G_mと局所保存則 I_m との可換性 [I_m, G_n]=0 を証明した。これは神保道夫氏との共同研究である。これらの研究は、リー環A_N^(1)の場合について小島が白石潤一氏らと共に2005年~2007年に行った研究の拡張に相当する。より正確には、A_N^(1)の場合でも積分路の選び方が、捻らずに円周上にとる、という以前のA_N^(1)の研究とは異なる積分路をとっている。変形W代数の構成に量子トロイダル代数を活用している点も異なっている。また、昨年度の Twisted A_2N^(2) 型の変形W代数の生成元の母関数の満たす2次関係式を報告した論文を、学術雑誌 SIGMA にて出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
量子トロイダル代数の K_1 の場合について変形W代数 W_{q,t}(D_l^(1))の可換保存則の構成を進めた研究であるが、K_1の「高ランク」版と捉えられる K_n の場合についても拡張が進みつつあり、当初の予想を超える結果が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
非局所保存則を D_l^(1)型のW代数の量子トロイダル代数の「高ランク」版 K_n に付随する場合に拡張したい。D型に限らず他のアフィン・リー環の場合にも理論を拡張していきたい。本年より研究分担者に加わって頂いた神保道夫氏は量子トロイダル代数について世界をリードしてきた。コロナ禍の終焉に伴い、神保氏と小島のより密接な議論が可能となってきた。対面での密接な議論により、変形W代数と量子トロイダル代数の融合研究が一層進むことが期待される。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため海外出張は行わなかったため。2023年度は国際会議に出席予定である。国内出張も積極的に行い共同研究者との交流を進めていきたい。
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