2019 Fiscal Year Research-status Report
New developments of higher dimensional value distribution theory and the fundamentals of complex analysis in several variables
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19K03511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 潤次郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 名誉教授 (20033920)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 解析学 / 高次元値分布理論 / Nevanlinna理論 / 多変数関数論 / 岡理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
値分布の新展開については、現在P. Corvaja (Udine大), U. Zannier (ENS, Pisa)と共同で楕円曲線族および準アーベル多様体族の正則切断について興味深い新知見を見出しつつある。古典的なLegendre楕円曲線の正則切断の有理性判定条件を、山ノ井の第2主要定理を用いることにより証明し、その応用としてLegendreアファイン楕円曲線族の任意の正則切断は有理切断となり、更には2捩れ切断に帰着してしまうことが示された。同様の事象が超楕円曲線族についても成立することが当該研究代表者の成果(1985)を用いて得られた。また準アーベル多様体族については族が退化しない点においてピカールの大定理型の定理を得た。更に準アーベル多様体族の正則切断に対するNevanlinna理論を展開することを目指し、部分的な結果がえられた。 多変数複素解析基礎の新展開については、岡理論の新しい簡略化を進めている。岡理論は連接層の理論としてOka-Cartan-Serre-Grauertの理論として花を開き、更にHoermanderによるL2法により進展してきた。ここでは、それ等とはことなる新たな岡理論の簡略化を目指す。これまでの一般的な連接定理を大幅に簡略化する「弱連接定理」(著者、2019)にもとづき、岡の解決した3大問題の完全証明を与える。基礎となる論文は発表され(2019)、一部は著書第2版(2019)に反映された。より基礎的な内容の著書を準備中である。 このような研究成果を積極的に国際発信すべく、内外の研究集会で共同研究・講義・講演を概略次のようにに行った:5月カナダモントリオール大学、6月ドイツボッフム大学、同月イタリアレビコ研究集会、7月葉山多変数複素解析シンポジウム、同月上海復旦大学数学研究所、11月金沢複素幾何学シンポジウム、12月東北大学。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イタリアの2名との共同研究が順調に進行中であり、プレプリントができつつある。新しく改良された証明法が反映された「多変数解析関数論第2版」が出版された。岡理論についてのサーベイ論文、新しい簡略化の基礎となる「弱連接定理」の論文が発刊された。これらの新しい成果について内外の研究集会で講演をした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの進展情況を維持しつつ研究を進めてゆく。
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Research Products
(14 results)