2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K03515
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
佐久間 紀佳 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70610187)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自由確率論 / メキシコ / 無限分解可能分布 / レヴィ過程 / ランダム行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は自由確率論における擬無限分解可能分布の例の構成方法について研究を進めた. また前研究課題で仕上がっていなかったWojciech Mlotkowski氏と植田優基氏との共同論文「Free Self-decomposability and Unimodality of the Fuss-Catalan Distributions」についてまとめ投稿しJ. Stat. Phys. から出版された. 擬無限分解可能分布のクラスとはその分布の解析的変換がレヴィヒンチン型表現と呼ばれる無限分解可能分布の表現公式におけるレヴィ測度の部分を符号付き測度まで許すもの全体の集合である.従って無限分解可能分布を含む大きいクラスである.このクラスの分布は分布の分解公式の形での特徴づけも知られている.そのクラスについては古典確率論,自由確率論双方でまだほとんどその性質が分かっていない.特に自由確率論では例も乏しい. 本年度は特に半円分布に関連するもの及びコーシー分布に関連するもので構成方法が分かった.また,前研究課題で見つかった自由ポアソン分布からの数値例について考えて, メキシコCIMATでTakahiro Hasebe, Steen Thorbjornsen, Octavio Arizmendi, Victor Perez-Abreuらと議論をした. 特にその証明に際し関数論的に有用な定理があることのアドヴァイスやコーシー分布に関連するfree deconvolutionの最新の結果とその証明の概略についてセミナーを受けた. これらに基づいて共同研究者である植田優基(一関高専)と一般的な安定分布から擬無限分解可能分布の例を構成する議論を継続している. また確率分布の特徴づけとして,新たにStein法による特徴づけをお茶水女子大の吉田氏と議論を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究当初の予想通り, 数値計算ではほぼその存在は間違いなさそうであった自由擬無限分解可能分布のある部分の証明テクニックについて有用な関数論的な手法があることが判明した.従って証明の方針はほぼたったと言える. 他方, 年度末にコロナウィルスの影響でほぼ全ての打ち合わせがキャンセルとなってしまった.そのためその部分の遅れが生じている.この状況を改善するため次年度始めに安価かつよりやりやすいオンライン研究討議の方法を検討する予定.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において研究手段について問題が生じている.具体的には年度末にコロナウィルスの影響でほぼ全ての打ち合わせがキャンセルとなってしまった.現時点でコロナウィルスはいつ収束するかわからないため,この状況を改善するため次年度始めに安価かつよりやりやすいオンライン研究討議の方法を検討する予定である.具体的には音声の問題が多く発生したので高性能なマイクの購入や音が交錯しないようにヘッドフォンを購入する,またZoomのような討議に便利なアプリを年間契約することを検討している. 特に研究実績の概要で述べた多くのことは他の研究者との交流の中で得た知見が多いので,研究交流を絶やさないように配慮して進めていく必要がある.
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの流行のため研究者招聘見送りや研究打ち合わせのための出張が多く見送りとなったため. 研究者招聘は次年度以降コロナウィルス収束後に再招聘にする.研究会及び研究打ち合わせは等は今後再度その形を予算に合わせて変更し行う予定.
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