2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the nuclear dimension of operator algebras
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19K03516
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 康彦 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (70581502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 作用素環 / 分類理論 / 核型次元 / 条件付き期待値 / 分類戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は作用素環の条件付き期待値の研究を行い, E.Kirchberg 氏の残した条件付き期待値に関する問題を解決した. 弱位相で閉じたトレースを持つ von Neumann 環とその部分環の間ではいつでもトレースを保存する条件付き期待値の存在が古くから知られている. この問題をノルム位相で閉じたC*環のレベルで自然に考えると簡単な反例が見つかるが 「数理物理でよく現れる CAR 環(UHF環)や無理数回転環とその自己準同型の上では, 条件付き期待値が存在するか?」という問題が Kirchberg氏によって出題されていた. この問題は彼の残した遺稿に公表されていた問題で, 我々の核型次元の研究とは異なる文脈の物であった. しかし, これまでの研究から条件付き期待値の存在は核型な作用素環, 特に核型次元有限な作用素環でよく研究された対象であり, 本研究で主要な Jiang-Su 環と呼ばれる作用素環の自己準同型の条件付き期待値の非存在性が直接応用できる事に気づき, 問題の解決に至った. 本論文は Munster Journal of Mathematics に受理され, 2022年に亡くなった E. Kirchberg 氏のための特別号に掲載予定である.
また, 条件付き期待値の研究に付随した指数定理の研究を核型次元が有限な作用素環に対して行なった. これは上記の研究が条件付き期待値の非存在性に関する話題であるのに対し, こちらは綿谷指数が有限であるという性質の良い自己準同型の構成を目的とした研究である. この研究内容は2024年1月のRIMS研究集会で発表し, 研究に関わる多くの観点や課題を得ることができた.
研究期間全体を通じて, 核型次元有限な作用素環の分類理論を応用し幾つかの未解決問題を解くことに成功した. それらの結果から数理物理の研究へ新たな展望が期待される.
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Research Products
(5 results)