2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03518
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福山 克司 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60218956)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一様分布論 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘルマン ワイルの一様分布定理によれば、発散する等比数列に関しては、ほとんどすべての初期値に関してその小数部分は1を法として一様分布することが知られている。さらにその経験分布関数の一様分布関数への収束速度を上限ノルムで測った差異量に関して重複大数の法則が成り立つことはウォルター フィリップが弱い形で示していたが、研究代表者が以 前通常のステイトメントの形を示し、そこに現れる定数Cは公比に依存して定まることがわかっている。 等比数列の部分列をとった場合、部分列の疎の程度により、重複大数の法則に現れる定数は様々変化するが、その定数は1/2以上C以下の範囲に入り、その範囲の数を重複大数の法則に現れる定数になるような部分列が存在することを以前示している。この結果は、部分列をとることにより定数が減少し独立の場合に近づくことを示唆しているように思われる。 そのため、部分列のさらに部分列をとった場合にも定数の減少が観測されるかが問題として浮上してきた。それに対する否定的な結論として以下のものが得られた。 等比数列の部分列で、重複大数の法則に現れる定数が独立の場合と同様 1/2 になるもので、任意に 1/2 以上 C 以下の定数を指定すると、その部分列の重複大数の法則に現れる定数がその定数と一致するようなものが存在することが分かった。すなわち部分列の部分列が再び大きな定数を持つ可能性があることが示されたこととなり、先の問題の否定的解答を与えたこととなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
問題に対する解答が得られているので。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな公比の場合に成り立つ公式に関して、その成立の閾値を探る研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で国際、国内の研究交流が行われなかったのが理由である。新たな交流の方策を講じ研究を推進する計画を検討している。
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