2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K03518
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福山 克司 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60218956)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一様分布論 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘルマンワイルの定理によれば発散する等比数列はほとんどすべての初期値に関して1を法として一様分布することが示されている。その一様分布への収束の速さを差異量の収束速度として定式化する努力が過去なされてきた。我々はすべての発散等比数列の差異量に対して重複大数の法則を示し、そこに現れる定数を公比から確定する研究を進めてきた。これはこの定数が収束速度を与える量であることから収束速度の確定の作業の最終段階として重要であるからである。大きい公比に関しては定数を公比から計算する公式を与えることに以前成功し学術論文として出版している。 また、公比が小さい場合には公式が成り立たない場合があり、これらについて定数を確定する研究も積み重ねている。その過程で公式の成立限界についておぼろげながらの感触が得られてきており、この閾値の確定に向けて研究を進めている。公比が有理冪根ではない場合にはすべてが解決しており、有理冪根である場合について、その有理数を既約分数に著した場合の分子と分母の関係が重要であることが徐々にわかってきた。ともに奇数である場合には問題は解決しており、片方が奇数で他方が偶数である場合が問題となるが、分子が奇数となる場合と分母が奇数となる場合で閾値が異なるであろうことが観測されつつある。このことの理論的な背景を探り、さらに閾値を確定の上でその証明を行う研究の準備作業をおこないある程度進捗したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りの知見が積み重なっていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な数値実験を行うとともに、証明に必要となる分散量の表現についてさらに精密な評価を行ってゆく。
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Causes of Carryover |
研究は進捗しているが、国際研究集会の延期などの影響で渡航して発表することができなかったので、次年度使用額を用いて研究の進展を図る。
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Research Products
(2 results)