2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K03518
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福山 克司 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60218956)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一様分布論 / 差異量 / 重複大数の法則 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては発散する等比数列に関し差異量の重複大数の法則に現れる上極限がほとんどすべての初期値に対して等しくなる定数の特徴づけに関し、その定数を具体的に表示する一般公式を以前与えており、大きな公比の場合にその公式が適用できることを証明してあったが、小さい公比に対しては様々な反例が存在することも具体的に示してきている状況下において、公式の成立条件に関する研究を進めるための数値実験に取り組み、その成立条件の設定の方法に関しDiophantus近似の立場からの表示を考え実験結果と照合することにより、どのような形の定式化が可能であり、どのような閾値が適当であるかに関する考察を行うことにより新たな研究の第一歩を踏み出すための準備が整ったと考えられる状況である。 研究期間を通じて等比数列とその摂動の差異量の漸近挙動を研究してきており、特に摂動に関しては無理数回転による摂動は等比数列の持つ定常列としての従属性を失わせる効果があることが明らかになり、またそれ以外の摂動に関しては必ずしも従属性の消滅は期待できず、本来ある従属性から独立の場合まで連続的に実現する摂動が存在することも証明できた。また部分列の差異量に関して、等比数列の部分列の差異量の漸近挙動に関し、従属性を失わせることができることも依然示していたが、たとえ従属性を失っているように差異量の重複大数の法則から判断される場合でも、さらに部分列を取り元の従属性を持つ場合と同様の状況を実現できることも明らかになり、部分列を取ることによるある種の減少としての単調性は期待できないことが示されたこととなっている。
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