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2022 Fiscal Year Research-status Report

位相的ラドン変換の超局所解析と特異点理論への応用

Research Project

Project/Area Number 19K03529
Research InstitutionKindai University

Principal Investigator

松井 優  近畿大学, 理工学部, 教授 (10510026)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords構成可能関数 / ラドン変換 / 超局所解析 / 特異点論
Outline of Annual Research Achievements

構成可能関数のラドン変換は,位相的オイラー数を測度にもつ積分論における,代数的な背景をもつ関数の,幾何学的な積分変換である.本研究では,これまで主にコンパクトグラスマン多様体間で行われてきたこの積分変換について,扱う多様体や関数のクラスを一般化し,さまざまな位相的ラドン変換について,特に反転公式と像の特徴づけを中心に考察を行う.また,これらの位相的積分変換のさまざまな応用についても研究を行う.2022年度は,特に2021年度に得られた知見を元に,双複素超関数の研究,制約付き合成数の分布の漸近公式の証明の改良について研究を行った.
まず,構成可能関数のラドン変換の研究について説明する.従来の研究課題であるアフィングラスマン多様体や旗多様体における積分変換において直接的に新たな知見は得られなかったが,2022年度は,新たな方向性への模索として進めていた双複素数環上の解析学や幾何学について研究を行い結果を得た.従来から知られていた双複素正則関数の局所的性質の証明に誤りがあることがわかり,2022年度はその見直しを行った.また,2021年度から理論的な整備を進めていた双複素超関数について,関手的な扱いによる再定式化を行った.一方,双複素グラスマン多様体における積分変換の研究における進展はなかった.
次に,定義可能関数の位相的ラドン変換の研究について説明する.本研究では先行研究で取り扱えない部分の解決を目指して,定義可能関数の積分理論の見直しを行っている.2022年度は,従来の研究課題である積分理論の見直しについて新たな知見は得られなかったが,2021年度に共同研究により得られた制約付き合成数の分布関数の漸近公式について,証明の改良を行い,多くの場合について誤差評価付きで漸近式を得た.
今後は,従来の研究課題および現在進展中の課題について,引き続き研究を行う.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年度は,中心的な研究課題である,旗多様体間の位相的積分変換理論や定義可能関数の位相的積分変換理論の理論構築について,大きな進展を得ることができなかった.一方で,関連するテーマとして研究を進め2021年度にいくつかの結果が得られていた,双複素数環上の解析学や幾何学,スティルチェス積分による合成数分布の研究について,いくつもの新しい結果が得られた.
また,オンラインを中心に研究交流の機会も増えてきており,再び議論を研究に活かすことができるようになってきた.今後も新しい環境に適応し,これまでに得られた知見を元に,問題の解決にあたる計画である.

Strategy for Future Research Activity

2019年度から2022年度に得られた知見をさらに発展させる計画である.従来からの課題であるアフィングラスマン多様体の構成可能関数の位相的ラドン変換の像の特徴づけについて,幾何学的な考察を活かしてこれまでの計算の精密化を行う.また,双複素数環上の解析学および幾何学についても,引き続きその性質を明らかにしていく.さらに,双複素グラスマン多様体の構成可能関数の位相的ラドン変換についても研究を進める.また,定義可能関数の位相的ラドン変換の研究について,新しい積分理論の構築を目指す.応用の研究においては,計算機および計算ソフトウェアを活用して,具体例の計算を効率よく行う.一般的な状況で結果が得られない場合には,すでに得られた具体的な状況についてより詳しく調べる計画である.
研究を円滑に進めるにあたり,自ら特異点論,超局所解析,積分幾何をテーマとした国内外の研究集会,セミナーに参加し研究成果発表を行うとともに,研究者とディスカッションを行う.また,国内外の研究者を招聘して研究集会,セミナー,ディスカッションを行い,見識を広げ問題の解決にあたる計画である.

Causes of Carryover

本研究の申請時における研究計画では,研究費を国内外への研究集会等への参加出張旅費や研究集会の主催における国内外研究者の招聘旅費に使用するとしていた.新型コロナウイルス感染拡大の影響で,国内外の研究集会はキャンセルまたは多くがオンライン開催となり,参加のための旅費や参加費として研究費を活用することが少なくなった.主催予定の研究集会も中止となった.今年度分の研究費は概ね計画通りに使用することができたが,これまで使用できなかった分については今年度も使用できなかった.現時点では今後増えていくと見込まれる対面開催での研究集会等への参加出張旅費に研究費を使用する計画であるが,オンライン開催が続き研究費を使用する機会が少ない場合には,より効率的に研究を進めるために性能の高い計算機などの購入に研究費を使用する計画である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Sheaf theoretical study of bicomple hyperfunctions2022

    • Author(s)
      Yutaka MATSUI
    • Organizer
      RIMS研究集会 Prospects in microlocal analysis and asymptotic analysis
    • Invited
  • [Presentation] 制約付合成数の個数関数の漸近2022

    • Author(s)
      松井優
    • Organizer
      近畿大学数学教室講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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