2019 Fiscal Year Research-status Report
Modulation spaces and HRT conjecture
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19K03533
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 政晴 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30516480)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モジュレーション空間 / 高階分散型方程式 / 短時間フーリエ変換 / 作用関数 / フーリエ係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホログラフィーの研究でノーベル物理学賞を受賞したガボール氏が用いた「ガウス関数の平行移動と変調により生成される関数系を用いて,フーリエ級数展開のように任意の関数を展開する」というアイデアに起源をもち,これまで互いに影響し合いながら発展してきた研究テーマである「モジュレーション空間」と「HRT予想」を調和解析及び実解析的手法を用いて研究する.今年度はモジュレーション空間及びモジュレーション空間に関連する関数空間A^q_s(T)の研究に重点を置き,研究を行った.主要な結果として次の2つの研究成果が得られた. (1)「(自由粒子のシュレディンガー方程式やエアリー方程式を含むような)高階の分散型方程式の解を短時間フーリエ変換を用いて表すことができること」および「これらの解の表示が(非斉次型モジュレーション空間の場合だけでなく)斉次型モジュレーション空間におけるエアリー方程式の解の評価式に応用できること」は既に分かっていたが (加藤-小林-伊藤-高橋),エアリー方程式の場合だけでなく,より一般の高階の分散型方程式の解に対しても,応用可能であることが分かった (加藤教授, 伊藤教授, 高橋氏との共同研究). (2) フーリエ係数がある数列空間に属するようなトーラスT上の関数全体からなる関数空間A^q_s(T)上の作用関数の特徴づけについて研究を行った。この関数空間上の作用関数を完全に特徴づけに鍵となるように思われる必要条件と十分条件を見つけ,検討を行った(佐藤名誉教授との共同研究).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エアリー方程式の場合だけでなく,より一般の高階の分散型方程式の解に対しても,斉次型モジュレーション空間評価式を得ることが出来た.また,関数空間A^q_sの作用関数の特徴づけはモジュレーション空間やフーリエ・ルベーグ空間の特徴づけに重要な役割を果たすことが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた関数空間A^q_sの作用関数の特徴づけをさらに研究し,作用関数の特徴づけるための必要十分について検討を行う. 今年度は「HRT予想の研究」についても取り組む.
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Causes of Carryover |
今年度発売予定だった書籍の発売が延期されたため差額が生じた.次年度以降に書籍の購入に充てる.
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Research Products
(3 results)