2023 Fiscal Year Annual Research Report
Goldberg-Milnor予想の解決に向けたμ-等角摂動の研究
Project/Area Number |
19K03535
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
川平 友規 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50377975)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 複素力学系 / 放物的分岐 / ベルトラミ方程式 / μ-等角写像 / 擬等角写像 / 構造安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,複数の周期点が退化した状態である放物的周期点をもつような複素力学系を「おだやかに」摂動し,力学系のカオス部分を本質的に保ったまま放物的周期点を安定な「双曲的」周期点の組へと変化させることができるか,という問題(Goldberg-Milnor予想とよばれる)に対し,μ-等角写像とよばれるクラスの写像を用いたアプローチを行うものである.2023年度の主たる研究成果は以下のとおりであった: ・Goldberg-Milnor予想へのアプローチとして,μ-等角写像に収束すると期待される擬等角写像の列に対する一般的な考察を行った. ・D.Gaidashev氏と共同で,擬等角写像やμ-等角写像が満たす微分方程式(Beltrami方程式)に対し,誤差評価つき近似解の構成方法を改良する研究を行った. ・数式処理ソフト Mathematica と Porter-Shimauchiのアルゴリズムを用いて,複素力学系および擬フックス群の擬等角変形の可視化と,それに関連する研究発表を行った. ・前年度までにYi-Chiuan Chen氏と共同で行った,双曲的2次多項式による力学系が退化して放物的2次多項式による力学系が生成される現象を棲息運動の退化として記述する研究について,複数の研究発表を行ったほか,執筆した論文がアメリカ数学会の雑誌に受理された. ・Zalcmanの補題の高次元化を証明し,2次元Henon写像の3次元双曲ラミネーション理論を構成した.
|
Research Products
(9 results)