2020 Fiscal Year Research-status Report
高次元複素および非アルキメデス的力学系のモヂュライと無理的中立周期系の解析的研究
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19K03541
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 裕介 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00334954)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複素力学系 / 非アルキメデス的力学系 / モヂュライ / 無理的中立周期系 |
Outline of Annual Research Achievements |
Approximation of non-archimedean Lyapunov exponents and applications over global fields. Transactions of the American Mathematical Society, 373, 12 (2020), 8963-9011においてはThomas Gauthier, Gabriel Vigny両教授と共同で非アルキメデス的力学系における周期系の打ち切り対数乗法因子平均によるリヤプノフ指数の局所一様定量近似公式を得て、応用として複素力学系のモヂュライ上の種々の高さ関数の定量的比較、および周期系の乗法因子スペクトラムに関するMcMullen有限性定理の形式的完全周期系への定量的精密化を確立した。On a characterization of polynomials among rational functions in non-archimedean dynamics. Arnold Mathematical Journal, 6(3) (2020), 407-430においてはMalgorzata Stawiska教授と共同で非アルキメデス的力学系における調和測度の性質を明らかにし、またBrolinの定理の逆(多項式の調和測度および平衡測度による特徴付け)の非アルキメデス的力学系における非成立を反例を構成し確かめた。Value distribution of derivatives in polynomial dynamics. Ergodic Theory and Dynamical Systems, FirstViewにおいてはGabriel Vigny教授と共同で多項式の複素力学系の高階微分に対する等分布定理を確立し、その算術および非アルキメデス的力学系類似とC^2のHenon写像の微分に対する類似をも確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複素力学系のモヂュライの算術幾何および複素力学系の高階微分に対する等分布現象に関する二、三の研究成果を通じて、複素力学系のモヂュライと無理的中立周期系の理解が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度に得られた結果を基にして、引き続き複素力学系の研究者のみならず、国内およびフランス、英国、アメリカ、イタリア、フィンランド等国外の非アルキメデス的力学系、擬正則力学系、モヂュライ理論、代数的整数論、算術幾何、代数幾何、トロピカル幾何、ネヴァンリンナ理論、多重複素ポテンシャル論の研究者と交流しながら、複素および非アルキメデス的力学系の平衡測度への等分布現象を通じて力学系モヂュライと無理的中立周期系の定性的および定量的性質の理解を目的として研究を推進する。
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Causes of Carryover |
複素力学系、非アルキメデス的力学系、代数幾何、モヂュライ関連の図書及び関連する数値計算および数式処理のための計算機を購入する必要があるため。
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Research Products
(6 results)