2021 Fiscal Year Research-status Report
高次元複素および非アルキメデス的力学系のモヂュライと無理的中立周期系の解析的研究
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19K03541
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 裕介 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00334954)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複素力学系 / 非アルキメデス的力学系 / モヂュライ / 無理的中立周期系 |
Outline of Annual Research Achievements |
Equidistribution in non-archimedean parameter curves towards the activity measures, Proceedings of the Japan Academy, Ser. A, 97, No. 8 (2021), 57-60においては、色川怜未と共同で代数的閉かつ完備な非アルキメデス的非自明ノルム体K上の滑らかな(Berkovich)射影曲線内の領域Vで解析的に径数づけられた、K上定義された射影直線上の有理関数(の族)fとK上定義されたBerkovich射影直線内の(印付き)点aに対し、aのfによる軌道から定まるVからBerkovich射影直線への射の列の値分布に関して高々容量0の例外集合(Varilonの意味での例外集合)を除いた同等分布定理を確立した。Uniform perfectness of the Berkovich Julia sets in non-archimedean dynamics. Mathematical Proceedings Cambridge Philosophical Society, to appearにおいては、非アルキメデス的体K上のBerkovich射影直線に付随するBerkovich双曲空間の幾何を用いてBerkovich射影直線内における一様完全集合の概念を導入しBerkovich射影直線におけるポテンシャル論の観点からその基本的性質を明らかにするとともに、K上定義された有理関数fが潜在的良還元を持たないこととfのBerkovichジュリア集合が一様完全であることの同値性を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非アルキメデス的力学系のBerkovich解析族のパラメーター空間における分岐測度の性質と非アルキメデス的力学系のカオスの双曲幾何的およびポテンシャル論的性質に関する二、三の研究成果を通じて、非アルキメデス的力学系のモヂュライの理解が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和三年度に得られた結果を基にして、引き続き国内およびフランス、アメリカ、イタリア、フィンランド等の複素力学系、非アルキメデス的力学系、代数幾何、モヂュライ理論、代数的整数論、算術幾何、トロピカル幾何、ネヴァンリンナ理論、タイヒミュラー理論、多重複素ポテンシャル論の研究者と交流しつつ、複素および非アルキメデス的力学系の平衡測度および分岐測度の幾何を通じそれらのモヂュライと無理的中立周期系の定性的および定量的性質の理解を目的として研究を推進する。
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Causes of Carryover |
複素力学系、非アルキメデス的力学系、代数幾何、モヂュライ、タイヒミュラー理論、ポテンシャル論関連の文献と関連する数値計算と数式処理のための計算機と周辺機器を購入する必要があるため。
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Research Products
(6 results)