2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K03548
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
三上 敏夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70229657)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラグランジアン定式化 / 非凸コスト関数 / 確率最適輸送問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
初期確率分布と終期確率分布が与えられた場合の最適輸送問題を考える。 コスト関数が凸な場合、これは、コスト関数をラグランジアンとして、与えられた初期・終期確率分布を持つ絶対連続確率過程に対する作用汎函数の平均値の最小化問題として定式化できる。これを最適輸送問題のラグランジアン定式化という。 ところで、ラグランジアンが凸でない場合の確率最適輸送問題の研究は進んでいない。ラグランジアンが凹関数で劣線形増大オーダーを持つ場合、上記の絶対連続確率過程に対する最小化問題の値は、0か無限大であることを示した。これより、凸でないラグランジアンを持つ確率最適輸送問題の研究には、まずは、どのようなラグランジアンが研究対象になりうるかを決定することから始めなければならないことがわかった。そこで、まず、コスト関数が凸でない場合の最適輸送問題について、そのラグランジアン定式化を研究した。 コスト関数が凹関数の持つある性質を持つ場合に、コスト関数とは異なる新しいクラスのラグランジアンを用いて、最適輸送問題のラグランジアン定式化を得た。この場合、最適経路の一意性がないことも示した。また、「最適経路は、途中でランダムに止まっても良いが、移動するときは、(ランダムな速度でも良いが)時間全体を通じて一定速度でなければならない。」ことを示した。また、コスト関数が非減少な場合に、別のクラスのラグランジアンを導出することに成功した。この場合、2つのラグランジアン定式化において、最適経路の空間は一致すること及びそこではラグランジアンの値が一致することも示した。ラグランジアンが凸関数ではないが線形増大オーダーを持つ場合、その最適輸送問題は、オーダー1のMonge-Kantorovich問題の定数倍になることも示した。特に、ラグランジアンが無限遠点のみで線形増大オーダになる場合に限り、最適経路は存在しないことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究成果から新たな研究成果・課題が見出されている。
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Strategy for Future Research Activity |
凸とは限らないラグランジアンを持つ確率最適制御問題の理論の構築を新たに行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴い、国内外の旅行を伴う研究活動が制限されたため次年度使用額が生じた。 特に、CanadaのDenverで開催予定であった国際会議「Pacific Rim Mathematical Association Congress 2021, December 5-10, 2021」で研究成果について招待講演を行う予定であったが、この会議は、2022年度12月に延期された。この会議は、2022年2月に対面開催が決定され、結果的に、講演はキャンセルした。 2023年7月にリスボンで開催予定のBernoulli Societyの国際学会SPA2023に確率最適輸送問題のセッションが招待開催され、その主催者として招待された。そのセッションで、海外共同研究者のJin Feng 教授(Kansas大学)が共同研究について講演することになっている。その折に、現地で、Jin Feng 教授と集中的に共同研究を行い、当該研究課題に関する情報収集も行いたい。また、国内においても大きな国際研究集会が複数開催予定であるため、それらにも出席して、関係研究者から情報収集を行いたい。
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Research Products
(2 results)