2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03551
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 裕子 京都産業大学, 理学部, 教授 (10337462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 処罰問題 / マルコフ過程 / 拡散過程 / レヴィ過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルコフ過程,特に一次元拡散過程及び一次元レヴィ過程に対する処罰問題を通して,処罰問題の構造,更には確率過程そのものの構造を探ることを目的としている.2020年度は主に,重み汎関数に応じた極限測度に関する研究,特に,(1)一次元拡散過程に対し,重み汎関数を最大値過程とする場合の処罰問題,(2)一次元安定過程及び一次元拡散過程に対し,重み汎関数を滞在時間とする場合の処罰問題,及び(3)離散Azema-Yorマルチンゲールに関する諸性質の整理について検討した. (1)Christophe Profeta氏(フランス・イヴリ=ヴァル=デソンヌ大学)と矢野孝次氏(京都大学)との共同研究において,一次元拡散過程に対する処罰問題,重み汎関数がその最大値過程である場合を考察した.一次元拡散過程に対する処罰問題に関する先行研究を子細に振り返り,重み汎関数を最大値過程に取る場合について,固定時刻の代わりに指数時刻,到達時刻,逆局所時刻を用いる方法で処罰問題の解決を試みた.計算はまだ中途であるが,解決の手応えを感じている.更に極限測度を特徴付けるマルチンゲールについての考察を進めている. (2)重み汎関数を滞在時間とする場合の一般化処罰問題の解決を目指し,この場合のブラウン処罰問題について振り返った.カッツ消滅型処罰問題との類似点を確認し,一次元安定過程に対する問題解決を試みた.同時に,一次元拡散過程に対して(1)と同様の三種の時刻を用いる方法について考察した.が,未だ公表出来るような成果は得られていない. (3)藤田岳彦氏(中央大学)との共同研究において,離散Azema-Yorマルチンゲールに関する諸性質について纏めている.処罰問題との関連についても調査中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍にあり,思うように研究打ち合わせを行うことが出来ず,また大学における業務の急なオンライン対応等もあって,進捗はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
1.上述「研究実績の概要」の(1)の解決を目指す.対面での打ち合わせは行わず,オンラインでの研究打ち合わせを重ね,研究成果の公表を目指したい. 2.上述「研究実績の概要」の(2)の解決を目指す.一次元安定過程に対しては自己相似性を用い,一次元拡散過程に対しては固定時刻の代わりに種々の時刻を用いて,それぞれ解決を目指す. 3.上述「研究実績の概要」の(3)について,離散Azema-Yorマルチンゲールの諸性質と処罰問題との関係について論文に纏め,公表を目指したい.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,新型コロナウィルスの蔓延により学外出張を行うことが出来なかったため.繰り越し金は,出張が可能になれば出張旅費として使用するが,出張が困難な状況が継続するようであれば物品(オンラインでの研究打ち合わせに必要な用品と書籍)及び消耗品の購入に充てる.
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