2019 Fiscal Year Research-status Report
有界対称領域及び単位球上の正則写像、多重調和写像、擬等角写像に関する研究
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19K03553
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
濱田 英隆 九州産業大学, 理工学部, 教授 (30198808)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 有界対称領域 / レブナー鎖 / ブロック関数 / シュワルツの補題 / 星形写像 / 拡張作用素 / 支持点 / 強擬凸領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度の研究実績の概要は以下の通りである。 有界対称領域上の局所双正則写像を高次元の領域上の局所双正則写像に写す拡張作用素を導入し、その拡張作用素が有界対称領域上のレブナー鎖を高次元の領域上のレブナー鎖に写すことを証明した。また、有界対称領域上のブロック写像を高次元の領域上のブロック写像に写すことを証明した。 単位円盤上の局所双正則写像を高次元の領域上の局所双正則写像に写すRoper-Suffridge型拡張作用素とMuir型拡張作用素を導入し、それらの拡張作用素が単位円盤上のレブナー鎖を高次元の領域上のレブナー鎖に写すことを証明した。また、単位円盤上のブロック関数を高次元の領域上のブロック写像に写すことを証明した。 有限次元有界対称領域でランクが2以上であるものに対し、その領域上のgパラメーター表現を持つ正規化された単葉正則写像全体の族の有界な支持点を具体的に得た。その応用として、同じ領域上のg星形写像全体の族の有界な支持点を具体的に得た。 Fがユークリッド単位球上の正規化された双正則写像でその像がC2級の滑らかな境界を持つ有界強擬凸領域の時、その像の閉包が多項式凸であるための必要十分条件がその像をA螺旋型領域に写す正規化されたCnの正則自己同型写像Φが存在することであることを証明した。更に、必要条件として、その正則自己同型写像ΦをΦによる像が強A螺旋型領域であるように選ぶことができることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載の研究目的のうち、1番目については、有限次元有界対称領域における正則写像に関する研究を実施し、正規レブナー鎖の第1要素全体の集合の有界な支持点を具体的に発見した。 また、研究目的の2番目については、Cn(nは2以上)内の領域Dがユークリッド単位球と正則同型な強擬凸領域のとき、領域Dが星形や螺旋型領域とCnの正則自己同型写像により同型であるための必要十分条件を得た。 これらの結果を論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 複素n次元のユークリッド単位球の自己正則写像からなる連続半群のレゾルベントの幾何学的性質について調べる。 (2) 複素バナッハ空間上の正則写像や多重調和写像に対するBohr半径について調べる。 (3) ミンコフスキー空間の単位球の間の調和写像や多重調和写像に対するシュワルツピック型の不等式について調べる。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウイルスの影響により、予定していた出張を取りやめたため。 (使用計画) 次年度使用額を次年度の旅費に充当する予定である。
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