2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03563
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 義弘 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 名誉教授 (00093815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関数空間 / 変動指数 / 2重層汎関数 / ポテンシャル論 |
Outline of Annual Research Achievements |
身の回りに起きる複雑な現象を解明するためには, 偏微分方程式の研究が有効である.偏微分方程式の解の存在や正則性を論じるとき,ソボレフが導入した関数空間,いわゆるソボレフ空間,が重要な役割を果たしてきた.最近では身の回りに起こる現象がますます複雑となり,それに伴って,その現象を記述する偏微分方程式とそれを解明するための関数空間が多様化している。さまざまな関数空間の性質を解明することにより,偏微分方程式の研究を発展させることを目的とした研究を行い,国内の研究者ばかりでなく海外の研究者と研究交流を行った。この研究の発展として,一般の偏微分方程式の解を求めるために,非自律系の汎関数 INTEGRAL[ F(x,|Du|)] の最小解の存在と正則性を調べる研究が盛んに行われている。本研究では,2重層汎関数 Fp,q(x, t) = t^p+ (b(x)t)^q に関する最近の研究を発展させることから始めて,さらに一般の場合に応用できる方法を開発することを目的とした研究を行った;ここに, 1 < p < q < ∞ かつ b は非負有界 でかつθ-H¨older (θ ∈ (0, 1]) である。これらの成果の一部は次の論文で公表した。 1.Yoshihiro Mizuta and Tetsu Shimomura, Boundary limits of monotone Sobolev functions for double phase functionals, Osaka J. Math. 57 (2020), 819-826 2. Yoshihiro Mizuta and Tetsu Shimomura, Boundary growth of Sobolev functions for double phase functionals, Annales Academic Scientiarum Fennica Mathematica 45, 2020, 279-292
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,さまざまな関数空間の性質を解明することにより,偏微分方程式の研究を発展させることを目的とした研究を行い,国内の研究者ばかりでなく海外の研究者と積極的に研究交流を行った。とくに,pーラプラス方程式 - div (|D|^(p-2) Du) = 0 は,変分法,幾何学的解析学,擬等角写像,非ニュートン流などの研究に深く関連している.これは,汎関数 INTEGRAL[ |Du|^p] のオイラー・ラグランジュ方程式である。この研究の発展として,一般の偏微分方程式の解を求めるために,非自律系の汎関数 INTEGRAL[ F(x,|Du|)] の最小解の存在と正則性を調べる研究が盛んに行われている。 本研究では,2重層汎関数 F(x,t) = t^p + a(x) t^q に関する最近の研究を発展させることから始めて,さらに一般の場合に応用できる方法を開発することを目的とした研究を行った。 この目的を遂行するために,これまで共同研究を行ってきた研究者と密接な研究交流を行うとともに,各種の研究集会に参加して,新たな展開の可能性を探るとともに,得られた研究成果について講演・公表してきた。ここで得られた知見を生かして,国内の研究者ばかりでなく海外の研究者と積極的に研究交流を継続して行い,2重層汎関数に関する関数空間のさらなる研究を発展させるとともに,偏微分方程式への応用を目指した研究を行い,本研究のさらなる発展につなげる。
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Strategy for Future Research Activity |
身の回りに起きる複雑な現象を解明するためには, 偏微分方程式の研究が有効である。偏微分方程式の解の存在や正則性を論じるとき,ソボレフが導入した関数空間,いわゆるソボレフ空間,が重要な役割を果たしてきた。最近では身の回りに起こる現象がますます複雑となり,それに伴って,その現象を記述する偏微分方程式とそれを解明するための関数空間が多様化している。本研究では,ポテンシャル論的手法を用いて,Herz-Morrey-Musielak-Orlicz 空間において,極大作用素や積分作用素の有界性を示すことによって,偏微分方程式で記述される現象を解明するための手法を発見することを目的として,次の点を明らかにする。 1.2重層汎関数を含む多くの汎関数の最小解の存在に関する研究を行う.ここで開発された方法を発展させて,より一般の汎関数を扱うための新理論を構築する研究に繋げる。 2.Herz-Morrey-Musielak-Orlicz 空間において,極大作用素の有界性を示し,その応用として,ソボレフの不等式,Trudinger の指数不等式,ヘルダー連続性などのソボレフ型の定理を発展させる。 3.ルベーグの単調関数のポテンシャル論的性質を解明して,擬等角写像の幾何学的性質を解明するとともに,偏微分方程式の解の存在と正則性の研究を行う。 4.実解析学ばかりでなく, 微分幾何学,複素解析学,グラフ上の解析学など幅広い応用を目指して,距離空間上における関数空間の研究を展開する。特に,重み付き空間における理論を発展させる。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた研究集会が中止または延期されたため,次年度使用額が生じた。 これまでの予算と合わせて,研究会などへの参加費用,研究や計算機環境の整備などに使用する。
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Research Products
(2 results)