2020 Fiscal Year Research-status Report
A study of multilinear operators
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19K03571
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古谷 康雄 東海大学, 理学部, 教授 (70234903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤野 嘉宏 中央大学, 理工学部, 教授 (40532635)
松山 登喜夫 中央大学, 理工学部, 教授 (70249712)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多重線形作用素 / 2重線形ヒルベルト変換 / 分数べき作用素 / 重み付き評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
分数べき作用素の重み付き評価に関する古典的な結果であるStein-Weissの定理を関数をradialな関数に制限した場合は重みの条件を改良できることを示したDeNapoli,Drelichman and Duran の2011の結果を2重線形作用素の場合に拡張できた.それだけでなく,別証明を与えたことにもなっており,さらに彼らの結果,我々の結果のいずれにおいても重みの条件が最良であることを反例を作って証明した. いままで我々の作ったハーディー空間におけるT1定理の応用としてカルデロンの交換子作用素,コーシー積分作用素のハーディー空間空間上での有界性を証明してきたが,いずれも1次元の作用素であった.懸案であったn次元の作用素であるdouble layer potential operator のハーディー空間上での有界性が証明できた.証明にはClifford代数理論を使うという新しいアイデアを使った. 2重線形ヒルベルト変換の有界性に関しては,現在知られている臨界指数2/3以下の1/2に下がるかどうかは未解決の大問題であるが,これを3重線形ヒルベルト変換で考えると予想される臨界指数は1/3に相当する.しかしDemeter, Kuk and Li によって指数が2/3より大きいときは有界になるが,特別なparameterの場合は臨界指数は1/3にならない.すなわち1/3より大きいことを証明した.我々はすべてのparameterにおいて1/3より大きいことを証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長年の懸案であった,double layer potential operator の有界性が証明できた. 2重線形分数べき作用素の重み付き評価に関しては完全な形で解決した. 3重線形ヒルベルト変換の研究に関してこれからの進む方向を示す部分的結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
3重線形ヒルベルト変換の非有界性の反例を作る過程で,Bourgain, Christ, Tao らにより研究が進められている調和解析における「組み合わせ論的手法」の有用性が理解できたので,この方向で研究を進めていきたい.
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Causes of Carryover |
調和解析セミナー,実解析学シンポジウムを開催し,その参加者の旅費に40万円以上,個人の研究集会参加,研究打ち合わせの旅費に10万円を計画していたが,すべてオンラインの開催となり,支出は0であった.次年度は大規模な研究集会は無理でも小規模の研究集会を開催してその旅費に充てる予定である.
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