Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究は凸解析・不動点理論を介した非線形関数解析学の基礎理論体系の確立およびその次に, 種々の点列近似法による不動点への収束定理に関する基礎理論の研究を目標としてすすめてきた. 最適化問題や均衡問題などの非線形問題の問題点を的確に把握し, 数学的(関数解析学的)に再構成して問題点を洗い出すことから始めた. 特に凸解析・不動点理論を介した非線形関数解析学の基礎理論体系の確立を1つの大きな目標としてきたため, generanlized-hybrid 写像, generalized-nonspreading写像, normally N-generalized hybrid 写像, normally 2-generalized hybrid写像等に対してそれらの性質, 重要性を考察し,写像間の相互関係なども探求した.その一環としてnormally 2-generalized hybrid 写像のabsolute fixed points存在定理, および不動点定理を証明することに成功し, 国際的論文誌に掲載された. それら写像やその周辺の写像の基礎性質に関する本質を見極めるため, またattractive pointやacute pointを介した解析は写像の定義域に凸を仮定しない議論にあたることを意識し, それらの写像の軌道をより一般化した点列の漸近挙動, 収束に関しての研究をして, その点列の収束定理を証明することに成功した. 同じく写像族の一般化されたorbitの漸近挙動, 収束に関しての研究をすすめて, 写像族に対する収束定理を証明することに成功し, 国際的論文誌に掲載された. また, 基礎的性質からの研究の一環としてBanach空間における写像族のorbit自体の収束について, どのような条件下で収束定理が出せるか探求し, 基礎性質にあたる補題の証明から研究しはじめ, Banach空間の未解決であった条件下でnonexpansive semigroupのorbit自体の収束定理を証明することに成功した. これらの成果は最近の実際の非線形問題の解への収束定理につながるものとして次年度以降の研究につながるものであり, 今後期待される成果である.
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度の研究に引き続いて以下の方法で推進する. 1. 2019年度の研究成果で得られた基本定理及び既に得られていた不動点近似に関する成果の考えを基に, 最近有用性が認められてきた写像である一般化されたgeneranlized-hybrid 写像, 一般化されたgeneralized-nonspreading写像およびそれらと関連の写像等の不動点への収束定理やattractive pointへ,acute pointへの収束定理として,特にマン型, ハルパーン型不動点近似法に関する定理を研究する.2. 一般化された generanlized-hybrid 写像, 一般化されたgeneralized-nonspreading写像およびそれらと関連の写像等の不動点への収束定理やattractive pointへ,acute pointへの収束定理に関して, Hybrid型不動点近似法に関する定理を研究する.3. 2までの研究成果を総合的に鑑みて, 一般化された generanlized-hybrid 写像,一般化されたgeneralized-nonspreading写像およびそれらと関連の写像等に対する不動点近似法としてより使いやすい近似法を探求する.4. Banach空間における共通零点問題のうち, 極大単調作用素のサニイジェネラライズドリゾルベントに対する問題を探求する.5. 不動点やattractive point, acute pointをもとめる点列近似法に関する理論の発展とその非線形問題への応用についての研究のうち, 特に融合問題(つまり共通不動点をもとめる問題)に関して, 従来からの近似法よりも使いやすい近似法を探求する.
|