2020 Fiscal Year Research-status Report
アトラクティブポイントを用いた不動点理論に基づく非線形関数解析・非線形問題の究明
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19K03582
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
厚芝 幸子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20327761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不動点 / アトラクティブポイント / 非拡大写像 / 非拡大半群 / 凸解析学 / 不動点近似 / 最適化理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究は凸解析・不動点理論を介した非線形関数解析学の基礎理論体系の確立の上に種々の点列近似法による不動点およびアトラクティブポイントへの収束定理に関する基礎理論の研究をし, より使いやすい近似法を探求することを目標としてすすめてきた.最近注目されている最適化問題や均衡問題などの非線形問題の問題点を的確に把握し, 数学的(関数解析学的)に再構成して問題点を洗い出すことから始めた.凸解析・不動点理論を介した非線形関数解析学の基礎理論体系の研究を1つの大きな目標としてきたため,特にBanach空間におけるgeneric 2-generalized nonspreading mapping, 2-generalized nonspreading mapping, generalized nonexpansive mapping, nonspreading mappingなどの非線形写像に対してそれらの性質, 重要性を探求して, 基礎性質の補題を得た.それらの不動点集合, アトラクティブポイント集合, skew-アトラクティブポイント集合を考察し,それら相互関係なども探求して重要性も考察し, 基礎性質にかかわる補題なども示した. それらをもとに, generic 2-generalized nonspreading mappingのアトラクティブポイントへの収束定理・不動点への収束定理を証明した. また, 不動点近似の基礎研究の一環として, Banach空間における写像族のorbit自体の収束について,基礎的な補題の証明から研究し, orbit自体が収束するための必要十分条件を確立することに成功し, 国際的な論文にて掲載された. この成果の考えをもとにして, 一種のMann type イタレーションによる不動点への弱収束定理を証明することにも成功した. これらの成果は, 必ずしも凸を仮定しない最近の最適化問題を含む非線形問題に結びつき, より一般的な非線形問題として定式化されるため,アトラクティブポイントを介して探求することによりさらに有用な研究成果が得られることが期待されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者のこれまでの準備や知識もとにして、さらに多くの文献収集やその整理、ならびにこの研究に興味を持っている研究者と多くの研究討論をしたことなどが功を奏したことが理由となって順調に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 2020年度の研究に引き続いて以下の方法で推進する. 1.2020年度までの研究成果で得られた基礎性質に関わる定理及び既に得られていた不動点近似に関する成果の考えを基に, 最近有用性が認められてきた写像であるgeneric 2-generalized-nonspreading mapping, 一般化されたgeneralized-nonspreading mapping, generalized nonexpansive mappingおよびそれらに関連する写像等の不動点への収束定理やattractive pointへ,acute pointへの収束定理について, バナッハ空間において,マン型, ハルパーン型を改良した不動点近似法を用いる形で研究する. 2.ヒルベルト空間における2-generalized-hybrid mapping, generic 2-generalized-hybrid mappingは, 最近有用性が認められるようになってきたので, それについて基礎性質の研究を進め, 特にHybrid型を改良した不動点近似法を用いて収束定理を研究する. 3. まだあまり研究されていないReich-Suzuki-type nonexpansive mappingおよびそれに関連する写像について,マン型, ハルパーン型不動点近似に関する研究をし、それをもとに, より使いやすい近似法を探求する. 4. 1.2.3.の研究をもとに測地空間における不動点へ,attractive pointへの収束定理の研究をすすめる. 特に写像族に対する収束定理の研究は 測地空間ではまだあまり進められていないが有用性が認識されはじめた. 測地空間おける写像族に関する基礎性質の研究からはじめて, 写像族に対する収束定理の研究をすすめる. 5.不動点やattractive point, acute pointをもとめる点列近似法に関する理論の発展とその非線形問題への応用についての研究のうち, 特に融合問題(つまり共通不動点をもとめる問題)に関して, 従来からの近似法よりも使いやすい近似法を探求する.
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Causes of Carryover |
2020年度予定されていた研究集会が, 新型コロナの影響で当初予定の日程から変更の連絡を受けていたが, その変更予定の日程もさらに延期になったものもある. そのため, 当初から2021年度実施予定の研究集会に加えて2020年度実施予定だったが2021年度実施予定に変更になったものもあり, それらを全て合わせた旅費が2021年度の旅費として必要になるから.
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Research Products
(7 results)