2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on the eigenvalues and the eigenfuctions of elliptic partial differential operators with applications to nonliear problems
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19K03588
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
壁谷 喜継 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70252757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 固有値 / 固有関数 / Laplace-Beltrami 作用素 / ねじれ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、球面上の帯状領域での Laplace-Beltrami 作用素に対する固有値を、帯状領域が球面全体を覆うように大きくした場合に具体的に求め、この場合の固有値の漸近挙動と、固有関数の関数形について明らかにした。帯状領域の球面全体への近づき方の違いが固有値の漸近展開に違いが出ることを明らかにした。この成果は、国際学術雑誌であるDiscrete and Continuous Dynamical Systems の40巻(2020年発行)pp. 3529--3559に掲載された。 また、球面上の帽状領域において、領域が球面全体を覆うように大きくなる場合に、指数関数の非線形性をもつ Gel'fand 問題について検討した。この解析においてねじれ関数よ呼ばれる、Poisson 方程式の解の性質を調べることが必要となる。この性質を調べるために、帽状領域での Laplace-Beltrami 作用素の固有値と固有関数の漸近解析を行い、解の存在するパラメータの範囲の漸近展開を得ることができた。 この成果は、連合王国 Swansea 大学の V. Moroz 教授との共同研究として、国際学術雑誌である Journal of Elliptic and Parabolic Equations に投稿し、掲載可の判断をもらっている。その他、球面全体でのスカラー場方程式の正値特異解の性質、帽状領域におけるスカラー場方程式の非対称な解の分岐などについて研究をすすめ、投稿に向けて原稿を作成している段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため出張が制限されたため意見交換の頻度が落ちたが、固有値 と固有関数に関する解析は十分にできたと判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
球面上の領域での固有値・固有関数の解析に留まらず、より一般の領域での固有値・固有関数を解析に踏み出す。また、固有値・固有関数の性質を利用して、分岐解析などを通じて非線形問題の解析も行う。これらの目的を達成するため、対面訪問もしくはオンラインで、国内外の研究者と意見交換を行う。また、最新の知識を得るため、専門書籍(電子書籍を含む)を十分な数購入する。得られた成果は、対面、もしくはオンラインの研究集会で発表し、広く成果を知らしめる。
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Causes of Carryover |
コロナの感染状況により、参加予定の国際学会が中止となったこと、また、緊急事態宣言中及び解除期間においても、国内での対面での研究会がすべて中止になったことにより、旅費の支出がなくなったため、次年度使用額が残ってしまった。 次年度は、計画的に図書を買うことと共に、研究打ち合わせに出られる状況になれば、 研究推進のため、明治大学の二宮広和教授、東京大学の石毛和弘教授を訪問して意見交換を行う。また、対面での研究集会が開催されれば、参加する予定である。
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Research Products
(3 results)