2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the eigenvalues and the eigenfuctions of elliptic partial differential operators with applications to nonliear problems
Project/Area Number |
19K03588
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
壁谷 喜継 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70252757)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 固有値 / 固有関数 / Gel'fand 問題 / スカラーフィールド型非線形楕円型方程式 / 分岐構造 / 特異解 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、球面帽(spherical cap)と呼ばれる領域を球面全体に広げていったとき、Gel'fand 問題と呼ばれる非線形楕円型方程式の Dirichlet 境界条件下での正値解がどのような挙動を示すかを解明した論文を、国際学術誌である Journal of Elliptic and Parabolic Equations において公表した。この研究においては、球面帽上での Dirichlet 問題に対する固有値と固有関数の持つ性質を明らかにし、固有値と固有関数の情報を基にして、非線形問題の解の挙動について明らかにした。 また、別の問題として、ユークリッド空間内の単位球において第三種境界条件下のスカラーフィールド型非線形楕円型方程式の、非球対称解も込めた分岐解の構造を、第三種境界条件をNeumann条件に近づけた場合について研究した。この内容は研究集会で発表し、投稿に向けて原稿を執筆中である。この問題においても、定数定常解の周りでの線形化方程式の固有値と非球対称な固有関数の性質が非常に重要であり、さらに、球対称解の場合には発生した不完全分岐は非球対称解の場合には起こらないことを明らかにした。 同様に、球面上帽領域でのスカラーフィールド型非線形楕円型方程式の解の緯度と経度依存のある場合も込めた分岐構造を解明した。この場合も、緯度と経度依存双方がある場合には、不完全分岐を起こさないことを解明した。これも、投稿に向けて原稿を執筆中である。 さらに、球面全体でのスカラーフィールド型非線形楕円型方程式の正値特異解についても研究を行い、国際研究集会で発表を行った。この問題においても、具体的に解ける正値特異解からの摂動問題を解くことが鍵である。この研究内容も、投稿に向けて原稿を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
球面帽での分岐構造の解明、ユークリッド空間内の単位球における第三種境界条件下での分岐構造の解明、特異解の構造の解明については2021年度中に学術誌に投稿する予定であったが、投稿ができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
投稿原稿作成中である、1) ユークリッド空間内の単位球での第三種境界条件下でのスカラーフィールド型非線形楕円型方程式の分岐構造の解明、2) 球面帽上の Dirichlet 境界条件下でのスカラーフィールド型非線形楕円型方程式の分岐構造の解明、3) 球面上での正値特異解の構造、の3つについて早急に投稿できるように原稿を仕上げる。 さらに、Choquard 方程式と呼ばれるヘリウム原子での電子の挙動を記述する方程式について、正値定数定常解が存在する場合は、そこからの摂動問題を考える。存在しない場合は、自明解からの摂動を考えて解構造を解明する。
|
Causes of Carryover |
2021年度もコロナウイルス感染防止の観点から、大学として出張が許可されない状況が続いていたため、大幅な繰り越しとなってしまった。2022年度は、出張が許可される状況となれば、対面での研究集会に参加して講演を行い、また、書籍を中心にして物品を購入する予定である。
|
Research Products
(6 results)