2021 Fiscal Year Research-status Report
Asymptotic behavior of solutions to hyperbolic and dispersive equations with damping terms
Project/Area Number |
19K03596
|
Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹田 寛志 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (10589237)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 平滑化効果 / 非線形弾性波 / 消散項 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元空間における強消散項を持つ非線形弾性波に対し, 調和解析学的手法を基にして, 小さい初期値に対する時間大域解の挙動についての研究を行い, 以下の成果が得られた. 1. 時間大域解が構成できることを検証し, その関数空間での時間減衰評価を得た. この時間大域解に対し, 初期値が同じ正則性を持っていても, 準線形の非線形項を構成する微分によって, 時間大域解の平滑化効果に差異が生じることを明らかにした. この平滑化効果によって, 初期値の正則性よりも高い正則性における解の時間減衰評価を導出した. また, 時間無限大において, 時間大域解の構成に要した位相のみでなく, 平滑化効果によって明らかになった正則性においても拡散波の線形和で時間大域解の近似ができることを示した. 2. 1. で得られた時間大域解に対して, 初期値にさらなる正則性を加えた際の, 方程式の統徹性及び解の滑らかさについて考察した. その結果, 加えた正則性に応じた平滑化効果が明らかになった. 特に非線形項が準線形で, 線形主要部が双曲型であっても, 初期値よりも正則性の高いノルムの時間減衰評価が得られることが分かった. この成果の導出の過程で, Riesz変換によって生じる低周波成分の困難に対して, 解の双曲型部分に生じる伝播速度の違いを利用して克服する方法論を確立した. これらの研究は隠居良行氏(東京工業大)との共同研究に基づく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強消散型波動方程式の基本解の高周波成分に対する平滑化効果に関して新たな知見が得られた. 当初の予定であった解の漸近解析の研究にこの成果を取り入れて, 当初の予定と少し異なる方向性であるが, 先述の成果が得られた.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画と照らし合わせ, やり残した研究とここまでで得られた成果について見直しを行う. これを基にして検討を進め,今後の方向方向性を明確にして研究を進める.
|
Causes of Carryover |
昨年度と同様に, 申請時に予定していた数回の研究連絡の出張を見送ったため
|